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第5.28話 過酷な生活の日々 祝150個目 ページ29

結界の中は、タイ兄の周りを浮遊する悠久の玉の
エネルギーによって、気温が高く、暑いほどだった。


バサッ!

都和子先生の足元で、ものが落ちる音がしたので見ると、
スネリが倒れていた。


「スネリ!」

「だ、大丈夫……です」

「もっけをお願いね」


都和子先生はもっけを横たえると
私を背負ったまま、タイ兄の腕を掴んだ。


「悠久の玉は、あなたとAが揃って初めて扱えるのよ。
知っているでしょう。お願い、タイ。気づいて。
貴方は誰か悪しき心を持った者に操られているのよ!」

『触るな』


タイ兄が言い、掴まれていた腕をふりほどいた途端。
都和子先生は衝撃を感じ、私を背負ったままうずくまった。

タイ兄の腕を握っていた都和子先生の手を通して、
脳裏にタイ兄の記憶が流れ込んで来たのだ。



〜・〜・〜



赤ん坊の頃、タイ兄を連れ去ったのは路上生活をする老いた男だった。

男はちっぽけなお金で、何者かに依頼され
タイ兄を連れ去り一緒に生活を始めた。


赤ん坊だったタイ兄の体が、その生活に耐えられるはずもなく
幾度となく死にそうになる度に捨てられ、自らの妖力で回復してきた。

物心ついてから、タイ兄は男との生活から抜け出した。


一旦は施設に預けられる事もあったが
再び、連れ去られる事となった。

タイ兄も知らない、何者かによって。
タイ兄は一人で生活する為に、人を騙し、盗みを働いた事もあった。

その過酷な人生は、タイ兄の妖力を強くしたが、
タイ兄の心は荒み、人間を信じられないものとした。



〜・〜・〜



「タイ、許して……。私が目を話さなければ……。
貴方を探し出せていれば……」

『貴女が俺を探している事は知っていた。
探し出し、一緒に暮らそうとしていた事も。
しかし、俺はわざと気配を消し、貴女に知られないようにしていた』


タイ兄は都和子先生を見降ろすと、
片頬で笑い、右手のひらを突き出した。


バシッ!


都和子先生の体が勢いよく飛ばされた。

第5.29話 託すこと→←第5.27話 結界の中へ


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作者名:フェイル | 作成日時:2010年12月8日 21時

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