妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～part５ (ページ14)

今日:5 hit、昨日:50 hit、合計:18,974 hit

第５.１３話　伝説の子は2人ページ14

「じゃぁ……私が生まれた時、都和子先生はそこに居たのね」

「えぇ、そうよ。貴方達が生まれたのは、
十年前の今日……元日の日の出と共に生まれたの」

「……私の誕生日は、1月1日だったの?」

てっきり姉さんの話からして三月が誕生日だと思っていた私。
誕生日の事は姉さんには話していなかったようだ。

「……でも『貴方達』って……」

目の前に居る都和子先生は頷いてこう言った。

「とても可愛い赤ちゃんだったわ。二人共」

「…………!?」

それから、ゆっくりと顔を横に向ける。
その先にはタイが居る。

スネリともっけも、目を見開いているが、
その目の奥には「やっぱり」といった気持ちがあらわれていた。

「二人を産湯につからせた後、姉が苦しみだしたわ。
でも、命をかけて二人を産む事を、姉はわかっていたのね。
──最後はとても穏やかに笑っていた」

先生は、目を閉じて思い出すように話す。

「お兄様……姉の夫である貴方のお父さんは、悲しみをこらえながら
赤ちゃん二人を抱きしめていた。そして、その時に気づいたの」

「(母さん……父さん……)」

「双子の女の子には、うなじに第3の目があり……
そして双子の男の子には、右手のひら第3の目がある事を。
A、タイ君は、貴方のたった一人の、双子の……兄なの」

私はただ驚いた。予想をしていた事はあったが、
まさか本当に兄妹だとは思うはずもなく。

「(タイ……。お兄さん……?)」

そして都和子先生から聞いた事に、変な感じがした。
まるで自分の頭の中の記憶がよみがえるような。

その記憶からタイの事を思い出した瞬間、私は自然と口にしてしまった。

「……タイ兄……?」