裏 の 関 係

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あなたsaid




タクシーから降り、見上げたスクリーン。




音楽が鳴り響く。




たくさんの人。




ネオンが光る街。




スクランブル交差点が大嫌いだった。




大勢の人の中にいるのが嫌だった。




どうして上手くいかないんだろう。




さっきまで彼氏と電話していたが、ちょっとしたこで喧嘩をした。




あたしは日本。




彼氏はアメリカ。




有名人だし、そんな簡単に会えないのなんてわかっているのに。




ワガママを言ってしまった。




遠距離恋愛向いてないのかも。




彼氏の事は好きだけど、少し薄れた感情。




全て忘れたくて大嫌いな渋谷で買い物をしようとしてここに来た。




いつものようにホテル街を通って大通りに出ようとした時。




いきなり角を曲がってきた男の人とぶつかりそうになった。




振り向くと男の人も振り向いた。




目が離せなかった。




光が失われた瞳に捕らわれた。




「…お兄さん、この後ひま？」




男「お誘いか？」




鼻で笑った男の人。




「暇ならあたしと遊ぼうよ。今日だけ」




近付いてきた男。




男「それは夜って捉えていいんか？」




口角を上げて、あたしを見る。




「うん。お兄さんの好きにしていいよ」




男の人に肩を抱かれ、このホテル街で１番高いホテルへ入った。




もうなんでもいいの。




全部忘れたいの。




どうせこの男の人だって、あたしの事なんてどうでもいいの。




だって会うのは今日の夜だけ。

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