【◇】群 青 エ ー ス . 5

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-現在-






思ってたよりもかなり色んな意味でやばかったAの話。




家庭内暴力の話で背筋が凍ったかと思いきや




まさかの金髪と御幸の絆創膏事件(？)で荒れまくった一同。




金髪を引きずる栄純は倉持にタイキックをされ、春市に宥められ




御幸は栄純に髪を毟られ、降谷に睨まれ、倉持や亮介、伊佐敷にドン引きされた。









栄純「で、Aはなんで…1回野球をやめたんだ？」







ボロッボロになった栄純が

Aに聞いた。

少し余談が長すぎたので結論を知りたいのだろう。









A「結論から言うと」




A「御幸先輩…一也に言った通り、思い通りに出来なくなったからってのは本当。」









あの時言った言葉に嘘はない。

ただ、明確な理由を言ってなかっただけで。

Aが野球を辞めた理由は

誰もが明日、明後日…いつ経験してもいい理由だった。









春市の背番号を縫い合わせる手を止め

顔を上げた。









A「あの時私が言った理由は…確かにその程度と思われても仕方ない、というか私もそう思ってる」




A「結局逃げてしまったんだから」









あの時の絶望感は覚えている。




あの時の心臓の音も、速さも


汗が流れる感覚も




震える手も。








A「やめた理由は…」







最後まで叶わなかった


願い。


サイズの合わないスパイクを履いてまで叶えたかった願い。


それは目前にして消えたんだ。








御幸(まさかとは思うけど……)







今冷静になってみれば


確かにそうかもしれない。


そのまさか、が有り得たんだ。


誰にでも起こりうる話。









A「私は……イップスになってやめた」


A「頑張れば立ち直れるのに逃げた、放棄した」


A「色んな言い訳つけて…」









イップス。



それはスポーツをやってる人間なら誰もがいつなってもおかしくない症状。



スポーツの場合今まで出来ていた動作が突然出来なくなる、日常生活の場合もいつも通りの行動ができないということが起きる。









A「周りに言われて初めて気がついた。それまでは無自覚で」





A「初めて思い通りにいかない苛立ちと悲しさで頭が狂いそうだった…ことは覚えています」








どんなに技術が優れていても、どれだけ気持ちが強い人でも





イップスになることはある

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