【◇】群 青 エ ー ス . 5

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ありがとう、その言葉に


Aは眉を下げた。


ちゃんと鳴の力になれてたと思うと頑張っててよかったと心の底から思えてきた。









鳴「Aとバッテリー組めてよかった」








励ましなんかじゃない


心から思っていたことだ。


勝つことが出来たのはAがいてこそだったし

成長することが出来たのもAがいたから。









A「鳴さ、我儘言うから大変だった」




鳴「Aだって我儘言うくせに…」



A「でも私も同じだよ、最初にバッテリー組んだのも最後にバッテリー組んだのも鳴でよかった」









上手く笑えないぎこちない笑顔。



そのまま抱きしめてやりたいけど



そんな勇気はなかった。



いつも強引な鳴が優しすぎた瞬間。









鳴「俺さ、Aのこと…」









好きだよ、って言いたいけど


そんなの言えなかった。


そんなの言ったら尚更Aはって考えて


珍しく遠慮した。









A「何？」



鳴「Aのね」









もしもう会えなくなるなら


せめて


これだけは言いたい









鳴「笑った顔、俺結構好きだよ」









なんだか


会えない気がした。


でも一生会えない気はしなかった。


いつかきっとAは野球をする側とまではいかなくても

野球と関わる立場で自分と会える、そんな気がした。









A「笑った顔…」




鳴「高校行ってもさ、遠慮なく連絡してよね！」









長野にこないか、という話を断ったのは知ってた。



どっちみち長野の方にいってもいかなくても



鳴とAはよっぽどの事がない限り同じ道は歩まない。



それでも繋がってたい。









A「鳴は私がいないと寂しくってダメだもんね、我儘で…やりたい放題だから高校の人大変だよ」




鳴「はぁ！？何言ってんの、逆だよ逆！」








Aの言ってることは

1年後あたり本当に当たる。

Aの次にバッテリーを組むあの人も

Aと同世代のあの人も苦労するけど…。

それでも鳴のことを理解してくれるいい相棒となっている。









A「多分連絡も鳴からの方が絶対多いよ、くだらないこと送ってきそう」





鳴「違う、Aがくだんないこと送るの」









これも当たる

部員のブレた写真を送ったりしてくる。

でも実はこういうの、鳴がAを笑顔にするために続けてる事だ。

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