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「オヤジ……!!」
「父上……」
父上の言葉に、白ひげ海賊団の船員やその傘下の者達も粗方察しが付いたらしい。
……言わないでくれ……
そう願えども現実は非情だ。
蓄積したダメージや身体の衰えで肩で息を続ける父上は、腹の底から息を吸えば、この戦場全体に響く声を発す。
それは、ありったけの命を張ったような声だった。
「お前らとおれはここで別れる!!!
全員!! 必ず生きて!!! 無事新世界へ帰還しろ!!!」
そう言い放った父上が放った能力で、海軍本部基地の砦に大きなヒビが入った。
「行けェ!!! 野郎共ォ〜〜〜〜!!」
「……父上は……」
……父上は自分諸共、此処を海に沈める気だ。
元々、この戦争にはその覚悟を持って父上は来たのだろう。
……俺は如何すれば良いんだ。
エースとルフィを連れて退くか?それとも此処に残るべきか?
決断をし、段々と退いていく海賊達に対して、俺の足は一向に動かない。
「A!!」
「ッ!! 父上……!?[
如何するべきかと俺は頭痛が起きる程考え込んでいると、父上から声が掛かった。
「見つかったんだろ! おめェのずっと探していた弟が……!!」
……! 何故それを……
「見りゃァわかるさ……なんたっておれの息子の事だからなァ……!!
大切にしろよ……おめェの本当の弟を……!!」
……つまり、行け……という事だな。
広い海で何もかも迷っていた俺を救ってくれた人。
今は感謝という感情しか見つからない。
「了解した……ありがとう、父上……!
大切にするさ……!! 必ず守り切ってやる……弟の幸せを!」
フードを目深に被っていたので、顔が隠れていて判らないとは思うが、目尻に涙が溜まりながらも俺は笑った。
……さあ、別れの時だ。
「A!!」
踵を返すと、其処にはまだエースとルフィの二人がその場に留まっていた。
思わず驚いたが、気を取り直して二人に言う。
「急げ! 海軍の標的はお前達だぞ!?」
「……少し心配だったからな」
自身の心配をしてくれないか?
内心、切実にそう思いながらもエース、ルフィと共に船の方向へと走り出す。
走っているうちにジンベイとも合流し、更に進んで行こうとすると___背後に異常な程の熱気を感じた。
「赤犬だ!!!」
誰かの声を聞き、後ろの状態は大体把握できた。
三人目の海軍大将___赤犬は、如何やらこの二人の所へと真っ直ぐ近付いて来ているらしい。
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Noah†(プロフ) - 更新待ってました(*´∀`)ワクワクしっぱなしです…これからも頑張ってください(*´-`) (2018年1月8日 0時) (レス) id: 16f26e4166 (このIDを非表示/違反報告)
しーた(プロフ) - 凄く面白かったです…!!更新ずっとお待ちしております… (2017年12月25日 11時) (レス) id: e6fa4e5308 (このIDを非表示/違反報告)
みかづき(プロフ) - め、めちゃくちゃいい所なのに!…すっごく面白いです!続き気になります!更新頑張ってください。 (2017年8月24日 11時) (レス) id: 40dece2299 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レフト | 作成日時:2017年2月21日 2時