7人の傘 2 /8人目/

▽76/大倉side/ ページ27

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我慢してたものが爆発するように、ありったけの力で抱きしめてAの唇に噛み付く。





寝ぼけた顔ですら艶かしくて、そそる。







「…ん、ん。…んぁっ」







息苦しそうに眉をひそめるのも



両手でバスタオルを胸まで引き寄せる仕草も







全部、全部 愛おしくて。








口づけする位置を唇から顎、首筋、鎖骨へとゆっくりゆっくり移動させる。






俺に腕を回して応えるわけではなく、バスタオルを握りしめてされるがまま。







大「…ええの？」







と改めてAを見上げると






「…大倉、くん？」








否定でも肯定でもなく。上気した顔ととろとろとした口調で名前を呼ばれて。




いつものAじゃない、そんなのわかってる。









誘ってきたのはAとはいえ。雨のせいで、自分を見失ってる混乱状態のAを襲ってもいいのかと良心に問う。









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「…たちょ、助けて…」









虚ろな目。








「…たっちょんが、私のことこんな風に…させたんよ？…助けてよ」









誘ったわけじゃ、ない。



Aは助けを求めてあんなこと言うんや…







大「…俺でええの？ヤスとか呼ぼうか？」







「…んーん…今は、たちょが、いい」








そんなん言われたら男としてはもう…。






大「ほんまに？後悔せえへん？」



「…後悔する事なんて、とっくの昔に、置いてきたわ」








ふふ、と笑った虚ろな目がほんの少し 揺れた。





やっぱり、俺は、この子のそばにおりたい…









薄ピンクの下着の紐を少し横にずらして

左肩の鎖骨横にゆっくり、キスマークをつけた。









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