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ヴィリス､アルバート､ファニー､クルト(料理長らしい)､シャオロン､ショッピ､チーノ､トントン､鬱､ロボロ､ゾム､コネシマ､オスマン､ひとらん､軍曹､エーミール､しんぺい神､兄さん､グルッペン｡
…こんなに､一気に名前を聞いたのは初めてかもしれない｡
覚えることは出来たが､発音がよく出来ない｡
慣れるしかないか｡
「…」
今､ショッピとチーノを除いた全員は料理であろう大量のものを運んでいる｡
時分が口にしていたのは､あまり質のいいものでは無かったから､見た事ない料理が沢山ある｡
「新人が来ると､いつもこんな感じやで？俺ん時もいーっぱい料理あったし！」
「俺ん時もあった｡美味かった」
2人の説明に､ありがとうの意味を込めて頭を撫でる｡
驚いたように目を見開く2人だったが､すぐにもっと強請るように頭を押し付けてきた｡
やっぱり､誰でも頭撫でられると嬉しいようだ｡
自分も､多分嬉しい｡
「なーに可愛いことしてんのー？準備できたからおいでねー」
「「はーい！/はーい」」
「…」
しんぺい神が呼びに来てくれた｡
ショッピに右手を､チーノに左手を掴まれたまま立ち上がり歩き出す｡
大きなテーブルの上には､沢山の料理が乗っていた｡
様々な香りが､鼻腔をつく｡
「おおー！美味そー！」
「ギギは何食べるん？」
何､と言われても｡
食べた事の無いものばかりで､正直食べていいのかすら疑っているのに｡
「そう言えば､今までどんなものを食べてきたんです？」
料理長のクルトが､エプロンを立ててあった棒？に掛けながら聞いてくる｡
どんなもの…
「…」
「ギギ？」
2人の手を離し､自分はテーブルの方へ進む｡
長く大きなテーブルの上にある料理をそれぞれ見て､見覚えのあるものを探す｡
多分､無いとは思うが…｡
「…ﾌﾙﾌﾙ」
「…え､無いってこと？」
「…ｺｸﾝ」
呆然とした様子の3人に肯定の意味を込め頷く｡
すると､クルトの顔が一気に険しくなり､掛けたエプロンを手に取りヴィリスの方へと調理場？歩いていった｡
「…ギギ､これからいっぱい色んなもの食べような」
「俺らと一緒に､美味しいもん食おな」
「…ｺｸﾝ」
近寄ってきた2人に縋られるように手を掴まれ､痛くないように握り返す｡
何故か泣きそうな顔をしていた｡
何か､してしまったのだろうか？
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作者名：東の番長 | 作成日時：2019年6月3日 7時
