だって男子中学生だもの 身 ページ10
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※総合すると「すけべなことがしたい」としか言っていない身も蓋もない話です。注意。
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「――……んむ」
喰われる、という表現がぴったりだと思った。呼吸ごと唇をばくりと喰われる。器用に動く舌が上あごをなぞり、上の歯の裏側をくすぐる。じゅわりとあふれた二人分の唾液を飲み下す。彼の右手にいたずらに腰を撫でられて、背筋にぞわりと快感が走った。勝手に目が潤んで、瞼の間に滲んでくる。
「……は」
たっぷり味わわれて、ようやく解放された。随分と久しぶりに十分な空気を与えられたような気がする。
同室の三人が留守にしているのをいいことに、とAに彼のベッドに引っ張り込まれた仁王は、余韻に漂いながら自分をシーツに仰向けに縫い付けたままの彼を見上げる。Aは獰猛に瞳を鈍く細めて、唇の端をちろりと舐めた。獲物をしとめた獣の笑み――。
しかし、予想に反して彼は仁王に覆いかぶさるようにくらりと上体を倒して、仁王の首筋の横に額をうずめる。
「――やっべェ、ちょう眠ィ……」
思わずその頭をごんと殴った。
「……このドアホ」
「うええ……えろいことしたいのに……クソねむ……」
「お前この部屋でやったらはっ倒すぜよ」
いつ同室の彼らが帰ってくるかわからないのに。Aはそう言う仁王のシャツを無遠慮にめくりあげて右手を突っ込むも、もぞもぞと謎にうごめかしただけで、ぱたりと力を失った。
「…………」
「…………」
「……寝たんか?」
「ねてねえ」
がば、と勢いよく起き上がるAだが、駄目だこれは、完全に目が寝ている。右手で仁王の腹を撫で上げ、胸へと手を伸ばしつつ、目尻に唇を寄せて、小さくリップ音を響かせる。そのまま柔く耳へと移動して――そして再び停止。
「…………」
「…………」
「……寝たな」
返事がない。ただのしかばね――ではないが、すうすうと寝息が聞こえる。
「……はあ」
上に乗っかったままのAの身体を、とりあえず苦しくない程度に収まりのいい位置まで少し移動させて、仁王はため息をついた。
「……えろいことしたいのがお前だけじゃと思うなよ」
目の前の間抜けな顔を眺めて、ぐいと頬をつねってやった。
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角砂糖(プロフ) - 美琴さん» ありがとうございます!!(大声) (2020年3月11日 19時) (レス) id: 651af228bd (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - 好きです(突然の告白) (2020年3月9日 20時) (レス) id: 0419c563a9 (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖(プロフ) - 蘇芳さん» この作品を愛していただき本当にありがとうございます。この話の続編は、今の所はあまり考えていません。今非常に私生活が忙しく、それが一段落したら何か書きたいなとは思っていますので、いつになるかわかりませんが、もし気が向けばお付き合いいただけると幸いです。 (2020年1月30日 4時) (レス) id: 651af228bd (このIDを非表示/違反報告)
蘇芳(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました!もしもあるのなら続編楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2020年1月24日 20時) (レス) id: ec6c109e68 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - 角砂糖さん» そうです!覚えていてもらえて嬉しいです!!予定があるかはわかりませんが次の作品をお待ちしてます! (2019年11月20日 1時) (レス) id: f631e9f6d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:角砂糖 | 作成日時:2019年3月18日 21時