【派生作品】 空虚のプレゼントボックス 【神樹を守る子ら】

【404】 ※ ページ9

見つからないのだ。いくら探しても、どこを探しても、ぽっかりと穴のあいた心の隙間を埋めてくれる人がいない。どれだけ人と仲良くしても、関わっても、くろが好きになっても、それだけは変わることがなかった。これだけは、揺るがない。くろは変わっていくのに、この虚しさだけは変わらず、くろの心にどろどろと纏わりついてくる。それはこれからも"ずっと"なのだろうか。

　みんなからもらう愛情は、噓偽りないはずなのに。お母さんからもらっていたものでもない、本物のものなのに、どうして、あのときと同じ感情になってしまうのだろう。

　夜になれば、喪失感に襲われては涙を流して、朝を迎えれば何事もなくみんなと過ごして、また夜になったら、その繰り返し。どうして？ と心の中で何度も聞いた。答えは見つからず、日は過ぎていくばかり。どうすればいいのか、わからなくなってきてしまった。愛情とはなんだったのだろう。人から優しくしてもらうこと？ 薄っぺらい言葉を言ってもらうこと？ それとも他のものなんだろうか。ただ愛されたいだけなのに、それだけなのに、うまくいかない。人生は、うまくいかない。

　悩んだ結果が間違いだってこともある。だからといって何もしなければ、いつまでたっても変わらない。だけど行動に起こすことが億劫だ。些細なことがきっかけで嫌われてしまうかもしれない。嫌われたら、その先になにが待っているのか。痛みしかない。

　胸がズキズキと痛み、苦しくなっていく心臓。吐き尽くし、衝撃を与えられても口からはなにもでてこない。まるで喉に指を入れられたように嗚咽をもらした。泣いても終わらない悪夢は今でも襲ってくる。フラッシュバックすると、眩暈を起こすほど、深く記憶に刻まれている。渇いた眼球から零れ落ちたのは一滴の雫だった。

　まだ、報われない。あと何年、苦しめばいいのだろう。


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改めてランキング更新ありがとうございました。

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