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結局意味なんてものはなかった。空っぽである。この考えも、行動も、言葉も、全て無意味だったのである。ここにボトル、いわば瓶があれば、水も砂も、ホコリすら入っていない、何もない空っぽの瓶が自分の心を表していることだろう。すっからかんのこの瓶を、何かで満たしてくれないだろうか。誰か、誰か、誰もいいから、満たしてほしい。――そんなこと願っても、満たされることなんてないということはわかりきっているのだけれど。
春。といっても、桜はほぼすっかり地面に落ちており、木は花を吐き尽くし、鮮やかな緑色の葉っぱに乗り換えていた。木は本当に、気移りが早いなと思ってしまう。春は桜、夏は葉、秋は銀杏や紅葉で冬は雪。いつも誰かが傍にいる。ただそこにあるだけなのに、そう考えると木が羨ましく感じた。
いつも心の中には『愛されたい』という気持ちしかない。それが自分であり、"くろ"である。比喩にできないほど大きい神樹の枝に座り、落ちていく桜を眺めた。そういえばここに初めて来たときも、こうして枝に座っていたっけ。ふと昔のことを思い出してしまう。あの頃のくろは本当に惨めだったなと思っている。忘れたいのだが、忘れてきた頃にいつもいつも思い出す。子どもの頃の記憶は忘れやすいと聞くけども、いっこうに忘れる気配はない。もう1、2年は経っているのに。
昔の記憶が脳内で再生される。私の瞳には、お父さんとお母さんが映った。本当にいるわけではない。でも、映像のように映し出された。声が耳に届いて、鼓膜が揺れた。
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円藤 マメ(プロフ) - 菜の葉さん» ありがとうございます:) 褒められて照れる。リンク記載の件把握しました、よろしくお願いします!。 (2019年7月19日 19時) (レス) id: 3241387696 (このIDを非表示/違反報告)
菜の葉(プロフ) - 文才がヤバいですッ! クロちゃんの想いとか感情とか、すごい伝わってきます…! こちらの作品を、『リンク集』のところに載せさせていただきますね! (2019年7月19日 18時) (レス) id: 8971b2ec5c (このIDを非表示/違反報告)
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