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Aちゃんは

来しなは助手席乗ってくれたのに

さっさとおかんと後ろの席に座っとるし


まぁおかんに気に入られてるんやから

ええんやけど


けど

つまらん


後ろの席でこしょこしょ話してるんを

カーステ消して

耳ダンボにしてみるけど

何言うてるかわからへんし


やっぱ

つまらん


そう思ってたらおかんが



「そや、アイス買うたん溶けるし食べよ」



って言うてガサガサ袋探ってる音がした



「Aちゃんもどうぞ」



言うてて

Aちゃんも



「ありがとうございます」



言うて

俺だけ仲間はずれやん

別に暑ないし

アイスなんていらんし

ええねん

ええねんけど


けど

つまらん


そうこうしてたら赤信号に捕まって

車停めたら後ろから躊躇いがちにAちゃんが



「...すばるくん...」



って話かけてきて



「うん?」



って前見たまんま返事したら



「...これ...アイス...」


「.........」


「...あーんして...」



って


うそん!

マジ?

ヤバっ!


慌てて後ろ振り返ったら


ピックにささったアイス突き出して

ニヤニヤしてるおかんがおった



「残念でしたぁ」



「はぁ?なんやねん!」



「Aちゃんや思たんやろ」

「デッレデレやったで、あんた」



「うっさいわ」



「Aちゃんも見たやろ?」



そう言うておかんがAちゃんの肩

バシバシどつきながら笑てて

Aちゃんも声殺して

体震わせて笑てて

あんまりにも二人が楽しそうやから

まぁええかと思たけど

何か悔して

青になって車動かすんと同時に

ボーカリストの威信にかけて

めっちゃええ声で



「A?後で覚えとけよ?」



って言うたった

ミラーで確認したAちゃんは

真っ赤になって

びっくりするくらい挙動不審なってて

車ん中は

おかんの笑い声だけが響き渡ってた

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作者名:UTA | 作成日時:2018年12月10日 7時

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