嘘十六つめ。 ページ17
*
まるで探偵のみたいな佇まいに、虚は分かりやすく頭を捻った。
今の言葉に思案する必要はあるのだろうか。
見た所、さっきの彼は私の印象を口に出しただけだ。そう無意識のうちに。素直な性格なんだろう。
彼は、目線を此方に向け。ハッキリと告げた。
「……お前は怒った顔より、笑った顔の方が可愛いと思う」
そんな素っ頓狂な言葉を。
鳩が豆鉄砲を食らった、とは正にこの事だろう。
一瞬だけ、虚は微笑むのを止め、目を丸くする。
まさかの言葉だった。予想の斜め上を行かれた様な気分だ。
「……私、もしかして口説かれてますか？」
「……口説いてねえように聞こえたか？」
冗談めかして虚が聞くと、彼は先程の彼女の様に頭を傾げる。
素直すぎる性格は、時に爆弾を投下してしまうらしい。
告白や遠回りなアプローチはわりと受けてきた方だと認識しているが、口説かれるのは初めてだ。
ジッと彼の瞳を見る。彼もまた、虚の瞳を見つめていた。
「……お友達から始めましょう！」
「わかった。口説き落としてやる」
根本から通じていないのは私の気のせいだろうか。
虚は刹那、脳裏にそんな言葉が浮かぶ。
……彼は私の苦手な人かもしれない。
「……ところで、友達ってどうすりゃいいんだ？交換日記か？」
「……へ？」
今度は虚が素っ頓狂な声を出す。
交換日記？今時？高校生で？可愛すぎじゃないですか？
「私…今、凄く貴方とID交換したいです！」
「……IDって何だ？後、俺の名前は「貴方」じゃねえ。轟焦凍だ」
「あっ、そう言えば。名前、言ってませんでしたね。沫嘘虚です！」
さっきと打って変わって、目をキラキラと輝かす虚。
轟は、そんな彼女の様子を見て、また首を少しだけ傾げた。
「焦凍くんは言いにくいので、ショウくんと呼びますね！さっ、IDを交換しましょう！」
「ああ。で、IDって何だ？」
その後、轟のスマホに某有名SNSアプリがインストールされ、友達の覧に虚と表示されていたという。
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はむ(プロフ) - 言葉選びが好きです、 (2021年8月26日 0時) (
レス) id: 9bb4746f4d (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 莉兎さん» 私の小説で楽しんでいただけて何よりです〜！！更新遅いですがコツコツ頑張っていくのでよろしくお願いします(｀・ω・´) (2018年7月22日 3時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
莉兎 - 凄い続き気になります、、、！めっちゃ楽しい(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o)))、、！ (2018年7月10日 22時) (レス) id: 8e6cda3aa7 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 血華さん» わーっ！これからもドキドキできるような小説を書けるように精進します！応援、ありがとうございます〜！ (2018年4月4日 5時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
血華 - 凄く面白かったです！読んでいてドキドキしました！これからも応援してます！ (2018年3月31日 1時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2016年8月17日 9時
