【d!】兄達からの愛が受け止め切れないのですが。【kn】

第45話【幸福】#一周年 ページ49

・




os「じゃあ最後！俺ね」





「はい、どーぞ」と緑色の箱を手渡す。





少し重たいそれを開ける。





中には女の人が貰ったら喜ばない筈がないメイクセットが入っていた。




つまり、これはメイクボックス…？




『こ、こんなの貰っていいんですか！？』





os「ええよ。JKなんやからオシャレしたいやろ？」





『ありがとうございます！』





何度も頭を下げて先生方にお礼を言った。





こんなよくして頂いて本当に頭が上がらない。





・・・





os「どうやったらAちゃんみたいな子がシッマに育てられたんやろ？」




kn「失礼やなぁ…俺が愛情たっぷり注いだからに決まっとるやろ」




「なぁ？」と後ろから顔を覗き込んでくる。




『今の私が在るのはお兄のお陰だよ。ありがとう』




kn「ほんま可愛いわ…俺はAが居てくれるだけで十分やわ」





os「シッマ顔気持ち悪いで」




オスマンさんにデコピンを喰らって半泣き状態の兄は放っておいて、さっきからトントンさんが手招きしているのが気になる。





何だろう、と暫くトントンさんを見つめていると目が合う。




それに気がづくと自分の膝を指差すトントンさん。




『？？』




tn「こっち来ぃ」




小声でそう言うと、ニコリと笑う。




トントンさんがそう言うも私は兄に後ろから抱きつかれており、がっちりホールドされている。




だが、力が弱まった今の隙にこっそり腕の中から抜け出してトントンさんの所に行く。





gr「はは、あははははは！コネシマお前っ…トン氏に負けてるやんけ！w」




kn「俺よりトントンを選ぶんか！？」




腕の中に私がいない事に気づくと兄は酷く悲しんでいた。そんな涙流すまでの事じゃないだろう。





そしてその後、グルッペンさんが煽りを入れ、兄がそれに乗り戦闘になりかけたのを止めるのは大変だった。







・・・・




em「では、そろそろ私達は帰りますね」




18時を過ぎたくらいで先生達とトントンさんは玄関に向かう。





『また時間がある時に来てください』




gr「そうさせて貰おう。では、また明日学校で会おう」





最後にハイタッチを求められ、一人ずつハイタッチをして4人は帰って行った。









…こんなに楽しい人生で、いいのだろうか。









もしかしなくとも、私は幸福者なのだろうか。

【作者から】→←第44話【生徒】#一周年

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す