【d!】兄達からの愛が受け止め切れないのですが。【kn】

第43話【傍に】#一周年 ページ47

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ピーンポーン




『ごめん、私出てくるね』




kn「…嫌や」




『？？？』




ギュ、と袖を掴んで放さない兄。





tn「シッマ、A困っとるやろ？」





kn「嫌や。離れたくない」




『わっ、！？』



袖を強く引っ張られて床に座り込む。
そして正面から抱きしめられる。





『待ってお兄…苦じいっ』




ポンポン、と兄の胸板を押すと少し抱きしめる力を弱める。




tn「俺、代わりに出てくるな」




「よいしょ、」と立ち上がるトントンさんに謝罪と感謝の言葉を伝える。





玄関に向かうトントンさんを見送る。





問題は目の前の兄だ。




『お兄、どした？』




別にこうやって抱きついて来るのは珍しくない。寧ろ日常茶飯事だ。




kn「…今日、一緒に寝て」





え？…何て？寝て？？









困惑する私のもとへ複数の足音が近付いてくる。





gr「Aー！！」







kn「…あっぶな」




私を抱いて飛びついてきたグルッペンさんを避ける兄。グルッペンさんの腕は空を切り、そのまま床に顔面を強打する。




あの綺麗な顔に傷でも出来たら大変だな。





心配になり少し強引に兄を引き剥がし、床に座りこむグルッペンさんに目を合わせるように屈んだ。





『大丈夫ですか？』





gr「あ、ああ…平気だ」






tn「あんたは…ほんまに…」




「人様のお家で騒ぐものじゃないですよ」





「ほんまに。…シッマの顔怖いんやけど」




トントンさんに続いて入って来たのはエーミール先生とオスマン先生だった。





ただ、オスマン先生が言うように兄を見ても眩しい笑顔を向けられただけだった。







どんな顔してたんだろう…

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