第四話 冷たい風 巫兎視点 ページ6
私は炭治郎と別れた後、しばらく走ると一息ついた。
はぁ……、緊張した。
彼に気を使わせてしまった、私の表情がほとんど動かないのは昔からの癖なのに。
……だから、人と一緒にいるのは嫌なのよ。
”自分の命を軽くみてる” かぁ……。
そんなこと初めて言われた気がする。
それにしても、彼は優しすぎる、人に対しても、鬼に対しても。
フッ……私とは正反対じゃない。
すると、前から鬼が一体飛びかかってきた。
「オナカスイタァ〜。
ハァ、ハァ、オナカ、スイタァ〜〜! 」
「全集中・風の呼吸、
私は体をねじると、鬼の斜め下から勢いをつけて鬼の首を斬った。
「死ぬときぐらい、静かにしなさいよ」
そうつぶやくと、また走り出した。
そういえば、ここまで誰とも会ってない。
あんなたくさん居たのに、人の気配をほとんど感じない。
鬼がたくさんいて、私の感覚が鈍っているのかしら?
いや、そんなはずはない。
だってさっきから
師匠が言っていた通り、選別に参加するほとんどの人が死ぬのね。
しかも、初日で……。
しばらく走り続けていると、一人の人間が襲われているところに遭遇した。
やっと人に会ったと思ったら、死にかけてるだなんて……。
私、運が悪いのね……。
「ほう、獲物が二匹に増えた!
わしが、喰ってや……」
「全集中・風の呼吸、
新しい獲物に喜んでいた鬼は、あっさりと頸を斬られ崩れていった。
突然現れた少女に助けられ動揺したのだろう、襲われていた青年は腰を抜かしてしまった。
しかしすぐに我に返って、私にお礼を言った。
「た、助けてくれて、ありがとう! 」
あっ、そっか……。
彼からは、私は彼を
「……別に、目の前に鬼がいたから斬った。
ただそれだけだから」
そう私は言い残すと、すぐさまそこを立ち去った。
まったく……私がそんな慈善事業をやるような人に見えるのかしら?
すると目の前の木の影に、青白い女性が寄りかかっているのが見えた。
……あれは、鬼ね、しかも女。
気配からしてそこまで人を喰ってなさそうだけど。
刀を構えると、その女の鬼は木の影から出てきた。
っん! 気配に気づかれた!
「ふふっ、かわいい子だねぇ。
お姉さんと、一緒に遊びましょ」
鬼はそう言うと、恐ろしくなるほど綺麗な笑顔で微笑んだ。
第五話 白髪の悪魔・前編 巫兎視点→←第三話 生き残れ 炭治郎視点
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庵原史穂(プロフ) - 西村莉唯(りあ)さん» 西村莉唯様、温かいお言葉ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも精進して参りますのでよろしくお願い致します♪ (2022年3月6日 17時) (レス) id: 0038db6d5e (このIDを非表示/違反報告)
西村莉唯(りあ)(プロフ) - 更新したら私即見ます!なので頑張ってください! (2022年3月6日 16時) (レス) id: 929c6fdeb8 (このIDを非表示/違反報告)
庵原史穂(プロフ) - 夏美さん» ありがとうございます! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 0d9f41f564 (このIDを非表示/違反報告)
夏美(プロフ) - 更新頑張ってください! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 5adf9ec04a (このIDを非表示/違反報告)
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