風柱の継子は冷徹少女ー最初の分かれ道ー【鬼滅の刃】 (ページ21)

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第十八話　不死川実弥・後編　巫兎視点ページ21

不死川によって受けた背中の痛みはとても強烈で、
私は前に倒れることしかできなかった。
「カハッ！ゲホッ、ゲホッ！」
「一撃で経ったこれか。
　安心しろ、骨にヒビが入らないよう手加減はした」

　は、速い！全く目で追えなかった。気配すらにも気付かなかった。
手足に力が入らない、痛みで。
この間の鬼と比べ物にならないくらい、師匠よりももっと強い！
これが柱、鬼殺隊を支える最高峰まで剣技を極めた剣士。

「もう、終わりか？
　諦めたなら、さっさと帰……」
「まだ……」
「あ？」
「まだ、誰もっ、諦めたとはっ、言ってないでしょ！！」

　そう、こんなとこで諦めるわけにはいかない。
私は、こんなところで立ち止まりたくない！

　私は背中に激痛が走る中なんとか刀を構え直した。

「そうか、今言ったことをことを後悔しても知らんぞ！」

　不死川はまたいきなり消えた。

　え！また！？
今度は……上！

　かろうじて攻撃される前に気配には気付けたが、防御する時間は当然なく、
思いっきり頭を叩かれた後、両腕をめった打ちにされた。
そして私が姿勢を崩しかけたところを、お腹を思いっきり蹴られ、遠くまで飛ばされた。

「ガハッ！ウェ、ゲッホッ、ゲホッ……」
「受け身すら取れてねぇじゃねぇか。
　こんなんで本当に1週間も持つのか？」

　辛い、息が、息ができない。
肺が激痛で圧迫されて、回復の呼吸ができない。
本当に、1週間も持つの？
……いや、持つ持たないじゃない。
絶対に、継子になって強くなる。
諦めない、諦めたくない。
私は何にも邪魔されたくない、己の弱さにも！

「持たせる、持たせてみる。
　私はまだ、死んでいない。
　ので、私は必ず継子になる！」
「フッ、やっぱ変わってねぇな。
　じゃぁ、稽古を続けるぞ」

　私は震える手で木刀を持ち直すと、深呼吸をして木刀を構え直した。
そして、私は真っ直ぐ不死川を見つめた。
そう、まるであの日、初めて二人があった時のように……。

＊作者より＊
最近リモートのせいで肩がものすごく凝っている庵原です。
実は当初この話をカットしようかと考えていたのですが、
この部分がないとなぜ巫兎が継子になったのかわからなくなってしまうので書かせていただきました。
継子承認試験が終わればやっと那田蜘蛛山編です！
これからも何卒、宜しくお願い致します。
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