第一話 黒髪の少女 炭治郎視点 ページ3
藤襲山のふもとに着くと、俺は一息ついた。
ふと前を見ると見知らぬ綺麗な黒髪の少女が山の方を見ながら静かにたたずんでいた。
少女の綺麗で長い髪は後ろできつく一つに絞られていた。
あれ? こんな時間に人がいる。
もう相当周りは暗いぞ、もしかして道に迷ったのか?
一応、声をかけてみよう。
俺が声をかけようと近づくと、少女は炭治郎に気付いたのかすぐに後ろを振り返った。
その少女の瞳は、深く吸い込まれそうな暗い緑色だった。
「ねぇ、君はどうしてこんなところにいるんだい?
この先には山しかないぞ」
俺がそう聞くと少女は表情も変えず静かに言った。
「……私は、その山に用事があるの」
「っ! ……もしかして君も最終選別を受けに来たのか? 」
「……そうだけど、あなたも? 」
「あぁ! もし、よかったら一緒に行かないか? 」
「別にいいけど」
そして、二人は一緒に山をのぼり始めた。
しかし……
気、気まずい。
さっきから何も話しかけてこないし、目も合わせようとしない。
声をかけたのが迷惑だったのかな?
でも、迷惑そうな匂いはしなしなぁ。
「お、俺の名前は竈門炭治郎。
もし良かったら君の名前を聞いてもいいかな? 」
「私は
「珍しい苗字だなぁ。どういう字を書くんだい? 」
「説明するのは難しいと思う。 そういうあなたの苗字も珍しい方だと思うけど」
よ、良かったぁ、嫌がられなくて。
案外、話しかけると結構喋るんだな。
しばらくすると、俺たちはたくさんの藤の花が植えてあるところについた。
「すごい、藤の花が……。咲く時期じゃないはずなのに」
「……そうね」
歩き進めると、最終選別に参加するであろう人たちがたくさん集まっていた。
こんなにいるのか……。
「私たち、結構遅かったのね。
今はこんなにいるけど、生き残るのはほんの数人よ。
ほら、始まる」
すると女の子が二人現れて、最終選別についての説明を始めた。
どうしてこの子はこんなに冷静なんだろう?
怖くないのか? 俺はこんなにも怖いのに……。
「……ではいってらっしゃいませ」
すると、皆一斉に森に入っていった。
「私たちも行くわよ、竈門君」
そうだ、こんなところで怖がってちゃだめだ。
禰󠄀豆子のためにも、必ず生きて帰るんだ、鱗滝さんと禰󠄀豆子が待つ家に!
そう、俺は決意して、
第二話 風の斬撃 炭治郎視点→←プロローグ あの日の決意(続き) NOside
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庵原史穂(プロフ) - 西村莉唯(りあ)さん» 西村莉唯様、温かいお言葉ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも精進して参りますのでよろしくお願い致します♪ (2022年3月6日 17時) (レス) id: 0038db6d5e (このIDを非表示/違反報告)
西村莉唯(りあ)(プロフ) - 更新したら私即見ます!なので頑張ってください! (2022年3月6日 16時) (レス) id: 929c6fdeb8 (このIDを非表示/違反報告)
庵原史穂(プロフ) - 夏美さん» ありがとうございます! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 0d9f41f564 (このIDを非表示/違反報告)
夏美(プロフ) - 更新頑張ってください! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 5adf9ec04a (このIDを非表示/違反報告)
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