81 ページ34
慌てて駆けつけた父は意外にも、混乱する私を見て取り乱すことなく、懇切丁寧に教えてくれた。
私の母の名はエミリア・Z・ナッシュで、父の元々の名は沖井大和。
二人は事実婚だった(
私の名前はフェリスでオーケー。
だからその時点での私のフルネームは【篠崎フェリス】である。
しかしここで新事実。
私がまだ幼少の頃、両親は泣く泣く離婚していたらしい(婚姻もしてないけど)。
どうやら双方の家庭の事情らしかった。
涙ながらの夫婦の相談会の結果、私は母エミリアに引き取られ、母が旧姓に戻したため名前は【フェリス・ナッシュ】になった。
父は沖井の姓に戻らず篠崎で通し続けたため、父の本名は【篠崎大和】でファイナルアンサー。
そして、離婚して三年経ったある日、母が死去。
死因ははっきりしていないけれど、母は事件に巻き込まれた挙句殺されたようで、その犯人は例の組織だったらしい。
その死をきっかけに私は
ディスクを奪って逃走した後、 MI6の手引きでXデーまではどこぞの一般人になる予定だった私は、再会を果たした父・大和の強い意志と説得により篠崎家に引き取られることに。
少しでも組織から発見される可能性を除外するため、私は改名しフェリスの名を捨て、Aという名を手にしたらしい。
だから、私の本名は【篠崎A】でファイナルアンサーだそうだ。
「ややこしい。」
「うん、最近の君は多忙に多忙を重ねていたから…記憶が混乱しても無理はないよ。」
これって「無理はない」で済ませて良いものなのだろうか…?
しかしまあ、父は相当に子煩悩な人だと思っていたけれど、今にしてみれば亡き母エミリアの面影を私の中に探していたのかもしれない。
…そういう事情があったとしても些か寛容にすぎる気はするが。
「いいかい?君は篠崎A、間違いなく僕の大事な娘だよ。たとえ記憶が混乱してもそれだけは覚えておいてね。」
前にもこんな感じで念押しされた気がする。
何故こんなにも強く確認するのだろうか、と思いながらも、私は頷いた。
2103人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しま | 作成日時:2018年4月29日 21時