77 ページ30
マジで爆発しやがったよ!
私は爆風にビビって足を滑らせ階段を転がり落ち、ワンフロア下の廊下に背中を強かに打ち付けた。
痛みに呻く暇もなく、続けざまに階段中腹あたりに設置されていた消火栓も爆発したので「えっあっ」と混乱しながらも起き上がる。
目の前にあった階段をさらに下りながら私は必死に頭を回転させた。
予想外の規模だな!
人ひとり狙うには大袈裟すぎないかこの爆発!
大体私が狙われているのは理解したものの、誰が何の目的で爆殺なんてことを決行しようとしたのかが分からない。
ただ、今の私はメルローそっくりの外見らしいから、私を狙うとしたら組織の誰かだとは思う。
ここにバーボンの他にも組織のメンバーが乗り込んでた…?
潜入・潜伏といえばベルモット…?
…まさかとは思うが妙に私にくっついてきた女子大生。
彼女がベルモットの変装だったなんてことは…
……はっはっはっ。
……うえーーーん結局私には友達なんて出来っこなかったんやーーー!!
恨んでやるううと咽び泣きつつ階段を下へ下へと駆け下りた私は、ついに全ての階段を下りきった。
ついでに言うならば下りすぎてしまった。
周囲には誰一人として存在せず、上の階からひたすら爆発音が聞こえてくる。
…うわあああここ物置ィィィ
コナン映画【水平線上の
どうしよう船底に穴も開けられてるみたいだからマジで沈没も時間の問題だし上へ登ろうにも爆発酷くて登った瞬間爆死しそう
爆発くぐり抜けて皆と一緒に避難してもベルモットに見つかったら元も子もない
私を殺し損なったと知ったら脱出成功したとしてもまた狙われるだろうしそうなればいよいよジンまで出張ってきそうだしもうやだ何この詰みゲー
………
………
もう賭けるしかない…
私がここから生還できたら、まだメルローであると疑われていない篠崎Aの顔に戻る。それしか生存の道はない。
だがおそらく今頃、一階のボートデッキでは乗客を救護ボートに乗せ避難させているはず。
そこへ合流するとなるとベルモットと鉢合わせる確率が高すぎる。なんたって乗客100人程度だし。
そう考え、私は扉のボタンを押して海への道を開き、適当な乗り物を引きずって海に出す。
「ジェットスキー、コナンくんも映画で乗ってたよね…」
こういうときはテンションが上がるものを選びましょう。
2103人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しま | 作成日時:2018年4月29日 21時