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結局彼がバーボンとしての顔を出さないまま朝食を終えてしまった。
終始和やかな会話をしていた気がする。
険悪な雰囲気などは全くなかった。
(やっぱりあの記憶の通り、メルローとバーボンの仲は悪くはなかったみたいだな…)
・
八時半になり、私は阿笠博士と探偵団を除いたコナン様御一行とともに事件現場に戻ってきた。
ちなみにこの場合、探偵団とはコナンくんを含まない四名のことである。
この船は、近くに着港できそうな港がなかったため、今まで進んで来た道を戻る形になったらしい。
だから港に着くのは午後一時くらいになるそうだ。
今回の容疑者……というか、犯行を成し得るうえにアリバイのない人々は総勢十三名。
その中でも犯人候補として有力なのは四人。
被害者の友人が二人、被害者の妹、被害者の妹の友人。
被害者を含め、全員が女性である。
私は有力候補には入っていないものの、アリバイのない十三名の中にはエントリーしてしまっている。
だから現場に再度集められたのだ。
「安室さんは部外者なんじゃ…」
「僕は毛利先生のお手伝いです。」
「…………ふうん。」
間髪入れずに笑顔で返された。
関係者でもないのにこの現場にいるのはこの男に加え、コナンくん、昴さん、園子様の四名である。
毛利探偵は事件の捜査協力、蘭ちゃんは遺体の第一発見者ということで警察に呼ばれているらしい。
園子様は蘭ちゃんの付き添いで、昴さん、安室さん、コナンくんは毛利探偵の助手(建前)ということで列席しているようだ。
毛利探偵をアシストするFBIと公安と高校生探偵……
小五郎さんハーレム?ハーレムなの?
「なんか今回の刑事さんたち、イケメン多いですねえ。」
「……あー、はあ。」
私の隣に座る女子大生が、指にくるくると髪を巻きつけながら、こそりと私に話しかける。
うん、イケメンだね、目の保養だね。あの人ら刑事ってわけじゃないけどね。
ちなみにこの女子大生も、十三名の容疑者のうちのひとりである。
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作者名:しま | 作成日時:2018年4月29日 21時