62 ページ15
突如として響いた女性の悲鳴に驚いた私たちだったが、バーボンこと安室透はすぐに切り替えて現場へと走り出した。
私の腕を掴んだまま。
「ちょっ、」
「あなたも来てください!」
なんで!?
これ絶対事件だよね。
事件ってことは私に盗聴器仕掛けたコナンくんも私を尾行した昴さんもいらっしゃるってことでは?
私自らこの修羅の道に身を投じよと仰せか?
彼の手を払おうとする暇もなく、私は現場へ急行する羽目になった。
・
あの悲鳴は蘭ちゃんのものだったようだ。
同じフロアのジャグジーにて女性の遺体が発見されたらしい。
勿論この船に警察なんて乗り合わせているはずもない。
……ん?ああ、公安警察もFBIもいらっしゃるね。
でも彼らは所属を明かす気がないらしいので除外です。
とまあそういった事情もあって、元刑事で現役名探偵の小五郎さんが場を仕切っていた。
その傍らには当然コナンくんも。
コナンくんは走って来た安室さんを見て、次に彼に連れられて来た私を見ると、目を見開いた。
さらに遅れてやって来た昴さんも私を見てわずかに息を飲む。
あまり見ないでくれ、そして安室透はいい加減に私の腕を離してくれ…
「そこのスタッフは船長に連絡!ここから一番近い港に船を着港させるよう伝えろ!蘭、お前は警察に連絡だ!」
「わっ分かりました!」
「う、うん!」
澱みなく指示を飛ばす小五郎さん。
蘭ちゃんも戸惑いながら警察に連絡し、簡潔に状況を伝えている。
流石に場慣れしているようだ。
コナンくんも遺体に近づいて捜査を開始していた。
それを見た安室さんが同様に遺体に近づこうとしたので、私は今度こそ引きずられないよう踏み止まる。
「……私は部屋に戻る。」
「ダメです。」
「なんで?」
「部屋に戻ったらもう出てこなくなるでしょう。」
それは勿論だけど。
なんだか思考が読まれているようで居心地が悪い。
そう感じていると、安室さんは警察への連絡を終えた蘭ちゃんに声をかけた。
「すみませんが、この人と一緒にいてもらえませんか?」
「え?あ、はい、良いですけど…」
「なになに?安室さんの彼女?」
園子お嬢様!お口を閉じてください!
「そうなったら良いな、と思ってます。」
そしてこのキラースマイルである。
こやつ遊び人すぎない??
適当に言って場を引っ掻き回すのやめろ心臓に悪い…惚れたらどうする…(惚れてる)
2102人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しま | 作成日時:2018年4月29日 21時