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「じゃあそういうことだから……」




そう言って通話を終了しようとした私を、父が慌てた様子で引き止める。




『今後遠出をする際は僕に連絡をくれるかい?』

「なんで?そっちで居場所把握してるんでしょ。」

『君が予定外の行動をとった場合には、組織に接触されたものとすぐに察知できるからね。勿論そうならないように祈るけれど…』

「……まあそうだね。じゃあ今後はそうする。つっても残り一週間だけど……」




組織に接触される……


やっぱりその可能性も視野に入れてなきゃダメだよね。


コナンワールドだもんね。


なんの危険もなく任務遂行とか絶対無理だ。




「じゃあまた後で、……父さん。」

『ああ。きっと無事で帰ってくるんだよ、A。』




その言葉を聞き届けてから、【通話終了】をタップする。


私はスマホを放って仰向けに寝転んだ。




(そうだ…残り一週間。あと少しでこのプレッシャーも終わる…)




昴さんに尾行されることも、組織につけ狙われることも、コナンくんに無意味に警戒される、こと、も……




……………………。




……………………………あっ?




私はバッと起き上がって、ベッドサイドを見る。


そこには、コナンくんに盗聴器がつけられたままの上着が適当に放られていた。




あっ……えっえっ、あっ?




(うわーーーーー!?!?!?)




やらかしッ……ウワアやらかしたッ!!


うわああああ今の絶対コナンくんに盗聴されてたウワアアアア!!




私やばいこと言ってなかった?


何か変なこと言っ……言っ……言った……?


もうやだ全然覚えてないもうやだあああああ




動揺と後悔で引き攣った喉がつばを誤嚥し、私は盛大にむせた。


ついでに涙目になりながら唸りそうになるものの、盗聴器がある手前そんな真似はできない。


仕方なくベッドの上をゴロンゴロンと転がった。




(もうダメだ……もうこの部屋から一歩も出ない……)




憔悴しきった体でベッドの中に入り込み、くぐもったため息をもらした。

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作者名:しま | 作成日時:2018年4月29日 21時

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