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げぼ、と喉から有り得ない音がしたかと思えば、口から血の塊を吐き出していた。
酷く痛む身体と、くらくらする頭を押さえて、どうにか立ち上がる。
一体何があったのか、全く分からない。

は、と気付いて慌てて辺りを見渡す。
半壊した建物、悲鳴。
瓦礫の山、煙の匂いと鉄の匂い。

「っ、みんな、」

血を吐いた喉に激痛が走り、掠れた声しか出せない。
あぁ、喉が切れたのかと察する。

「ふっか、照、何処……?」

それでも必死に叫んだ。

「阿部?佐久間?」

数分前まで側にあった存在の名前を叫んだ。

「翔太、返事して、」

それでもどれだけ必死になっても声は掠れたままで。

「康二、目黒、ラウール……ねぇ、」

耳を澄まして、僅かな音も逃さない様に気を張る。
呻く音すら聞こえない。
ぞっと一気に冷える背筋に、焦ってまともな判断が出来ないでいると、背後から戸惑いの声が聞こえた

振り返ると、呆然とした高地が立っていた。
彼も所々怪我をしている。
宮舘は高地に近寄ろうとして、立ち止まった。
瓦礫の下から小さく声がしたからだ。

慌てて蹲り、瓦礫を退かす。
徐々に見えてくる彼は至る所が汚れていて、けれど怪我は然程酷く無い様に見えた。
瓦礫をある程度退かして、彼の肩を揺すって声を掛ける。

「川島、川島。起きて。」

その声に反応して、ぴくりと眉が動く。
ゆっくりと開かれた瞳は、ゆらゆらと揺れていた。
じっと待っていると、次第に焦点が合って、川島が反応を示した。

「だ、てさ……、」

「大丈夫?起きれる?」

「……ぃ、」

何かを伝えようとしている川島の口元に顔を寄せ、その声を聞き取る。

「ぃがり……。」

「猪狩?」

「っここ、いる、」

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user(プロフ) - bamさん» ありがとうございます!スローペースですが今後も楽しんでいただければ嬉しいです! (7月9日 4時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
bam(プロフ) - この先どうなるかドキドキしながら見守る気持ちです。更新楽しみにしています! (7月8日 14時) (レス) id: e2f44e88a0 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 中身のないミカンさん» ありがとうございます、コメント嬉しいです!励みになります! (2021年11月4日 3時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)
中身のないミカン(プロフ) - こちらの作品も他の作品も好きです。個人的好みなので更新楽しみです (2021年11月2日 5時) (レス) id: b0e448d7d6 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 名前しずくさん» ありがとうございます!その言葉がモチベーションに繋がります!嬉しいです! (2021年10月30日 0時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:user | 作成日時:2021年10月28日 3時

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