Dolls can’t be Cinderella

神様 ページ18

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「……神様？」





立ち入り禁止となってしまった事務所前。
夜も更けたその時間、辺りに人はいない。
ひっそりと不気味な程静かなそこに、宮舘、高地、川島、猪狩の四人は立っていた。

多くの野次馬と週刊誌の記者によって晒された、宝物だった場所。
瓦礫は片付けられて、再建設が進んでいる。
黄色と黒で閉じられた敷地に、迷い無く足を踏み入れる。

建物の崩れた部分と、崩れてない部分の境目。
そこには、小さくて簡易的な祠が置いてあった。
そっと持ち上げると軽くて、中からカラコロと音がする。

これは、ファンの思いの集約だった。
此度の事故を悲しみ、嘆き、彼等の為に何かしたい、支えたいと愛溢れる思いを形にしたモノ。
ファンからの思いを神に見立てて、ファンからの祈りを受け取ると事務所が形で示したモノ。
それがこの祠。
未だ苦しむ者への祈りと、踏ん張って両足で立ち表に出るタレントへのこれからを願う気持ち。
寄せられた多くの寄付金の一部を使用して作られた、それ。
祠は、苦しむファンを救済するためのものだ。

かちゃり、小さく音を立てて扉を開ける。
小さな祠の中にある、小さな御神体。
ファーデンクォーツだ。
透明感のある鋭い石英は、濁った白さが美しい。

『再生と復活』

ファーデンクォーツの石言葉だ。
この祠の全てに、ファンと彼等への愛が詰まっていた。

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