月を見つけて【ワンパンマン】

ー本音ー ページ43

着いた場所は廃ビルの一室だが、汚い訳ではなく、きちんと整っている。

「さ、A。今日からお前の家だ！」

　知っていますか、ソニックさん。私も人間で、私にも堪忍袋というものがあって、さすがに……。

「座れ」

「ん？」

「そこ座れって言ってんだろ、音速のソニック」

　キレなきゃめんどくさいことになりそうなんで、いっそ怒って嫌われようかと思います。別に嫌われたところで損は無いですし、いいよね。

「だいたい、私がサイタマさんに世話になってるのは事実だけど、自分でやりたくてやってるの。わかる？」

　私は少し偉そうに椅子に座って話を始めた。彼は地面で正座をしている。しかし、年上へ敬語を使わないのは何年ぶりだろうか。

「それなのに勝手に決めて……。あのね、私の話も聞かない馬のような人間と、結婚したいと思う？思わないでしょ」

　溜まっていたストレスだったり、本音だったりが止まらない。ソニックさんはそんな私を見て、黙っている。

「付き合ってもないやつと結婚するほど私も馬鹿じゃないし、尻軽でもないから。以上。すみません偉そうな口ぶりで」

　私がいつも通り笑うと、彼はすごく嬉しそうに笑っていた。え、なんで、きもちわる。

「なら付き合おう！」

「……はぁ、もういや」

ー危機ー※→←ー抱っこー

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