月を見つけて【ワンパンマン】

ー引越しー ページ36

「ということで、隣に引っ越してきました。なにかと、これからもご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします」

　頭を下げると、2人は相も変わらず興味無さそうに返事をした。今更部屋が別なことを気にしているサイタマさんだったが、19なので……と答えると納得してくれた。

「……待て、19なら俺と同い年のはずだ」

「ええ、ジェノスさんって20歳言ってないんですか!?」

　ここで衝撃の事実。私がずっと年上だろうと思っていた彼は、どうやら同い年だったようです。

　かと言って、今更『ジェノス』とか『ジェノスくん』とか呼べないし。敬語もだいぶ慣れてしまったので、難しいと思う。

「まぁ、俺は今のままでもいいがな」

「それじゃあ、ジェノスさんで」

　悩んだ時間、約2分。確かに、逆に私が年上でもジェノスさんに『Aさん』とか、言われたくない。敬語とか、違和感しかないもん。

「そーいえばお前の親御さんどーなったんだよ」

「ああ、母は経営してる施設で暮らすことになりました。家はもう売ってしまいました」

　すると、へー。と興味無さそうな声で帰ってくる。聞いておきながらそれはないんじゃないだろうか。まぁ、いいけど。

「お前が吹っ切れたんならそれで俺はいいわ」

　……ばーか。

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