月を見つけて【ワンパンマン】

ー足ー ページ34

その後、お茶を貰ってようやく落ち着いた。

「お前、足から血出てんぞ？」

「当たり前じゃないですか、電車もバスもシャットダウン。タクシーも拒否されて、走ってきたんですから」

　最初は履物で草履を履いていたが、痛くなったので途中で脱ぎ捨てた。足袋はすぐにボロボロになって、ほぼ裸足で来たようなものだ

「なんか、悪いな」

「別に」

　私は怒っている。というよりは、不機嫌だ。そりゃ、許可も取らずに来た私が悪いのかもしれないけど、安否確認くらいしてくれてもいいじゃないか。

「それより、やけに今日は綺麗な身なりをしているが、何かあったのか？」

　ジェノスさんが、救急セットを持ってくると、足の手当をしながら聞いてきた。あ、そういえば、私、訪問着を着たままだった。

「少し、お見合いを」

「は！？お前、お見合いを抜け出してこっち来たのかよ」

　黙って頷くと、小突かれた。本当に微力だったのだろう、痛くなかった。まぁ痒くもなかった。

「俺はお前が俺らのことを気にして、プライベートが楽しめないと思って連絡とってなかったんだぞ」

　……そういうところが馬鹿なんだよ。と言うと、足に痛みが走った。絶対わざとだろ、ジェノスさん！

「まぁ今日は送ってやるから、安静してろよ」

「はーい」

　でもやっぱり、ここが落ち着くな。

ー感謝ー→←ー馬鹿ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す