名を付けるならなんと呼ぶ【ONEPIECE】 (ページ27)

今日:11 hit、昨日:16 hit、合計:61,624 hit

．ページ27

「貴方が見たのは、地図でしょう。それはビジネスの関係者が潜んでいると思われるアジトが記入された地図。」

無遠慮にも人の荷物を勝手に探ったローのこと責める筋合いなど無い。そういうものだと思っている。立場が逆なら、私もきっと同じことをしただろう。

これで終わればいいと思ってAは言葉を止めた。だが予想に反し、ローから返ってきた言葉は、追求だった。

「テメェの言うその“組織”は、なんだ」

それ迄基本受け身でしか話を聞かず、Aの話を信じすぎることも無いのか、胡乱気な眼差しで睨んでいたにもかかわらず。
彼の顔に表情は浮かばない。ゆっくりとした含みのある瞬きが気になったけれど、生憎初対面である青年から何か読み取れる訳ではなかった。

「………それを聞いてどうするおつもりですか。
世の中には、知らない方がいい事もあると…」

「いいから応えろ」

Aの声を遮って飛んできた圧のある声、に、Aは少し怯んだ。穏やかで起伏がないと思っていたけれど、最初も威圧するように此方を睨んでいたし、元々は横暴な人なのかもしれない。

Aに答える義務は無い、知らない分からないを貫き通してしまってもよかったのだろうが、何となく、これ迄と違うローの様子に、真剣さのような、切迫した何かを感じて。
仕方なく言葉を続ける。不服は顔に出しておいた。

「組織の名前は分かりません。ただ、その組織のボスと思われる人は、
……………“JOKER”と、そう呼ばれています」