名を付けるならなんと呼ぶ【ONEPIECE】 (ページ24)

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Aは実際、ベポよりも少し幼かった。そんなガキが1人で旅とは、どうせ碌でもない事情があるんだろうな、と察する。
可哀想だとは思わない。この世界の残酷さは、俺も十分に知っている。

まぁ、確かに少し幼いようにも見えるが、ぱちりとした大きな瞳と小さい顔、低めの身長がそう見せるだけで、
確かにちゃんと立派な“レディ”だと感じる部分はある。振る舞いも、聡明さも。

「……で、お嬢さん(レディ)は何か目的があってこの島に滞在してるみたいだが。目的は何だ？」

そう問いかけると、また驚いた、とAは目を見開いた。「悪いが持ち物を少し見させてもらった」と返すと納得したかのようにまた柳眉を下げる。

「私の事情を聞いて、どうするおつもりですか？」

「……さァな。聞いてから判断する。」

合間な返事に対しても、Aは不快を顔には出さなかった。ゆったりとした様子で瞳をほんの少し泳がせるだけ。

しばらくそんな沈黙が流れて、次にAが長い息を吐いた。観念した、と言いたげに肩を竦める。

「大したことじゃないです」

まっすぐ人の目を見て話す奴だ、と思っていたAは、俺の目を見ずにそう話し出した。