名を付けるならなんと呼ぶ【ONEPIECE】 (ページ13)

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そんな奴がこうも簡単に、こんなにも短時間で意識を失い倒れるだろうか？
先程撃たれた時点で既に満身創痍だったなら別だが、スキャンした様子では他に怪我は見当たらない。
現時点では死ぬほどの出血でも無い筈だ。

だが、気になるのは女の顔がゾッとするほど青白いということ。白い肌は血色が良くわかる。
脈を取ってみると、かなり早く、弱いことが分かった。体温もかなり低下している。

これは、出血性ショックだ。

それに気になるのは、この女が意識を失う直前に吐いた「血を吸いたい」という発言。
ただの趣味嗜好なんて考えで片付けるには些か突拍子も無さすぎる。

周囲を見渡し、思考する。
……真逆、能力者か……？

あのずば抜けた身体能力も気になる。医者でもあるローにとって『分からない』こと程、気になるものは無い。
元々探究心や知的好奇心が強いローは、目の前に横たわる少女の存在に些か好奇心を擽られていた。
そして今の状況を楽しむくらいの度量がローにはある。

物は試しだ。

ポーチからメスを取り出し、自分の手首を軽く切りつける。正確に血管を切り裂けば、小さな傷でも充分な出血量になった。

そしてそのまま手を下へと下ろせば傷口から溢れた自身の血液が掌を伝って指先へと流れていく。それを目視で確認し、血の滴り落ちる指を、ぐ、と少女の口の中に突っ込んだ。

気を失って弛緩している女の口を開かせるのは簡単で。
其の儘、己の血を少女の口に流し込んでいった。