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お腹が一杯になって、眠気が襲ってきたAは、瞼が下がっていくのを堪えていた。
このまま床に寝そべって眠ってしまいたいが、家に帰らなければ。
しかし、六歳ほどの少女は誘惑には勝てなかった。
眠らないように目を開けているつもりが、無意識に閉じている。
そしてだんだんと意識が遠退いていくのを感じた。
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「寝ちまったのかァ?」
くてん、と体を床に倒し、寝息をたててすやすやと眠っている。
不死川はあどけない寝顔が可愛らしいAの顔をじっと見ていた。
気が緩んだのか、疲れが顕著に出てきた気がした。確かに鬼狩りに行ってからと言うもの
彼女の事もあって一瞬も休んでいなかった。
一睡位しても構わないだろう。
そう考えて、毛布をAに掛けてから横に寝そべり、欠伸を一つして目を閉じた。
意識が夢の中に溶け込む頃、不死川にはある記憶がいつもしがらみのようにまとわりつく。
胸糞悪くて、気の休まらないその夢は眠る度にいつも見るというのに
何故かこの時だけは、とても心地のいい夢を見た気がした。
いつもよりいい気分で起きた頃には、もう太陽は隠れ、月が出始めていた。
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