↓ ページ33
ふう、と息を吐くのも束の間。まだやらなければいけない事は山積みだ。
突然背後から光が射してきた。夜が明け、太陽が出てくるのだ。
「ちっ、もう夜が明けやがったか······」
不死川はAを抱き上げ、脱げてしまって地面に放り出された彼女の靴や羽織を手に取り、
彼女を羽織でくるんで、元来た道を戻る。
「絶対羽織を脱ぐなよ?」
聞こえているのか分からないが、取り敢えず彼女に伝えた。
やはり彼女は鬼なんだと、自分で言っておきながら改めて知らされた気がしていた。
しかし、それでも彼女を憎いとは思わなかった。
街中に出た頃には完全に日が昇っていた。
不死川は胡蝶の屋敷へと足を運んだ。
「オイ胡蝶、こいつを診ろ」
「あら不死川さん、朝からガンを飛ばしてくるのは止めてください」
見ていてとても癪に触ります、と笑顔で答える胡蝶に怒りが込み上げるが、何とか抑え、
自分が抱えている者を胡蝶に差し出した。
「とてもAに似ていますが、誰の子です?まさか、孕ませたのですか?」
「ンな訳無ぇに決まってんだろうが殺すぞ!!」
本人だ、と伝えると確かに、と返ってくる。
どうやら瞳の文字を見て納得したようだった。
「血気術に掛かっただけですし、体にその他の異常は見当たらないので、大丈夫だと思いますよ。
後は様子を見るだけですね、このまま私の元でお預かりいたします」
「何自然と自分の私欲を満たそうとしてんだゴラァ」
613人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レミィ - 面白かったです!今コロナが流行っているので気を付けてください! (2020年3月9日 11時) (レス) id: edb0276662 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ - とても面白かったです!私もこんな小説が書けるようになりたいです! (2020年1月28日 16時) (レス) id: 113690dea7 (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 零さん» 本当ですね、すいません!ありがとうございます! (2019年10月17日 1時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 「吾妻」じゃなくて「我妻」だと思います。間違ってたらすみません (2019年10月16日 23時) (レス) id: ac710565be (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 雪乃さん» 教えてくださりありがとうございます!すぐに直します!指摘コメントありがとうございました! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ