××さんと風柱 ページ32
「っ、どうなってんだァ、オイ」
静かな空に、不死川の声が虚しくも響いた。
目の前にいるのは六歳くらいの少女。さっきまで着ていた隊服はブカブカで、上着だけで
膝下まですっぽりと隠れてしまう。
顔つきは幼くなっているものの、自分が好いている少女と同じ髪と瞳。
いつもは見えない左目もはっきりと見えていた。その瞳には「下零」の字がくっきりと入っている。
そう、幼くなったAが不死川の前で地べたに座っているのだった。
不死川は先程までAと鬼狩りをしていた。
お互い分かれて鬼を討伐していたため、討伐後に合流することになっていた。
そして来てみたらこの様だ。血気術に掛かったのだろう。
「お前の方が、鬼に関してはよく知っている筈なのに掛かっちまったのかよォ?」
「······っ?」
不死川を見るなり、瞳を潤ませ、口をきつく結んでいる。
彼の見た目のこともあるんだろうが、今彼女の中で何よりも勝るのは恐怖だった。
その時、背後からケタケタと笑いながら鬼が走ってきた。
すかさず不死川は自身の日輪刀を手に取り、鬼の頸を斬った。
それでもその鬼は気持ち悪いほどケタケタと笑っていた。
「俺を殺そうが、ソイツの血気術は解けやしねぇ。時間が過ぎるのを待つんだなぁ。
人間によるが、一日、はたまたは永遠かもしれねぇ······嗚呼、幼児を喰いたかった!!」
そう言って、塵となって消えていった。
613人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レミィ - 面白かったです!今コロナが流行っているので気を付けてください! (2020年3月9日 11時) (レス) id: edb0276662 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ - とても面白かったです!私もこんな小説が書けるようになりたいです! (2020年1月28日 16時) (レス) id: 113690dea7 (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 零さん» 本当ですね、すいません!ありがとうございます! (2019年10月17日 1時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 「吾妻」じゃなくて「我妻」だと思います。間違ってたらすみません (2019年10月16日 23時) (レス) id: ac710565be (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 雪乃さん» 教えてくださりありがとうございます!すぐに直します!指摘コメントありがとうございました! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ