××さんと柱と酒 ページ22
柱だけでなく、一般客も集まる店は騒音でごった返している。
そんな中にいれば、酒の力なんて借りなくとも位周りの影響を受けて浮わついた気持ちになる。
普段任務などで中々集まれない柱にとって、このような飲み会は羽目を外す為にあるようなものだ。
飯を掻き込む者、酒を嗜む者、会話を楽しむ者、それぞれ思いのままに過ごす飲み会は
楽しい時間以外の何物でもなかった。
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不死川実弥が酒を呑みながら宇随天元と話していると、不死川は自分の右腕に何か
重みのあるものが倒れているのが分かった。
ほろ酔い程度に嗜んでいながらも自我ははっきりとある彼がその方向を向くと、
顔を赤く火照らせたAがもたれ掛かっているのに気付いた。
もしかしなくても酔っている彼女は、とろんとした瞳を細め、彼に笑いかけた。
「ふふ、さねみさん、どーしたんですかぁ?」
「······A、酔ってんだろ」
冷静に言っているが、実際不死川の心情は冷静ではない。
いつもからは想像が出来ない程頬を緩ませ、馬鹿みたいに無防備な彼女に、
困惑と多少の優越感が入り交じっていた。
「酔ってないでーすよー」
へらへら笑うあたり、彼女は笑い上戸なのだろう、とどうでもいいようなことを考えながらも
けたたましく鳴っている自分の心臓を落ち着かせるのに必死だった。
出会った当初は殺意を剥き出しで、この世から葬り去ろうとしていた相手に、
ここまで溺れるなんて自分でも思っていなかったのだ。
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レミィ - 面白かったです!今コロナが流行っているので気を付けてください! (2020年3月9日 11時) (レス) id: edb0276662 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ - とても面白かったです!私もこんな小説が書けるようになりたいです! (2020年1月28日 16時) (レス) id: 113690dea7 (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 零さん» 本当ですね、すいません!ありがとうございます! (2019年10月17日 1時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 「吾妻」じゃなくて「我妻」だと思います。間違ってたらすみません (2019年10月16日 23時) (レス) id: ac710565be (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 雪乃さん» 教えてくださりありがとうございます!すぐに直します!指摘コメントありがとうございました! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
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