反社とJK【灰谷蘭】

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｢んだよ、A、こんなヤツらの方がいいの？｣








3人組の間からひょっこり顔を出してニヨニヨ笑うお兄さん。

と、この間すれ違ったもう1人のお兄さん。



こう見たらもしかして兄弟？

兄弟で住んでんの？可愛いな･･･。




終始笑ってるお兄さんが聞いてる？って言ってきて、ハッとした私は必死に首を横に振った。


こんなヤツらよりお兄さんがいいよって。

懇願するみたいに。




了解、一言発したお兄さん。

3人組が、いつの間にか2人、1人。



一瞬の間で殴られ蹴られ飛んでいく。





ほらやっぱり、確実に堅気はこんなこと出来ないって。


お兄さん2人は何一つ変わらぬ表情で相手を簡単にのしてく。










｢兄貴、こいつら殺す？｣





｢いや、めんどくせぇし伸ばしてこうぜ｣








2人の物騒な会話、それから、目の前に差し出される手。



来ねぇの？ってまた笑う。











｢･･･行く｣





｢ん、いい子｣








お兄さんは私が握った手を優しく掴む。


痛くない。





ほら、優しい。







｢･･･なんで私の事拾ってくれるの？｣





｢んー、気分？｣





｢じゃあ、気分が変わらないうちに甘えよ｣





｢おーおー、そうしとけ〜？｣








この間と違う、スーツ姿のお兄さん。



酔ってるのかと思ってたけど、お酒の匂いは強くない。






お兄さんの気分が変わらないうちに、優しくしてもらおう。


お兄さんのそばは心地いい。






優しくて暖かくて、いい香りがする。











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