反社とJK【灰谷蘭】

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お兄さんに拾われてから数日。




またお父さんに家から追い出されて、フラフラと歩いている時、ポケットの携帯が揺れた。








｢･･･はい、｣





｢あ、もしもしー？｣





｢･･･お兄さん？｣





｢今何してる〜？｣





｢フラフラと･･･｣





｢また拾われ待ちしてんの？｣








私は笑い事じゃないですけどね。


電話越しに笑うお兄さんに悪態をつきそうになるのを我慢する。








｢この間のお礼ついでにまた泊めてくれてもいいんですよ｣





｢泊めさせてくださいだろ｣








面白半分でかけたのか、酔った勢いか。


この間よりもテンションが高い。




お酒の回った人は苦手。

理性の1つ残らないから。








｢今どこ〜？｣





｢泊めてくれる人見つかったから、大丈夫｣





｢はー？近くにいんの？｣





｢今は、いない｣








そもそもいないし。




でも、あんなに良くしてくれたお兄さんに甘えるのも怖いし。

お礼も返せないし。



酔ってるの、怖いし。










｢･･･今なら拾ってやるけど？｣





｢･･･お礼は｣









怖い怖い思いながら、結局寝る場所は無い。

何を請求されるか、よりも今生きるのに必死すぎる。



お兄さんの声の圧に負けて、静かに、応えてしまう私は、意外と流されやすい性格なのかも。










｢んー、飯作って｣





｢･･･私が料理できなかったら？｣




｢んー、掃除とか？｣





｢･･･全部しますよ｣








じゃあ決まりなーなんて、楽しそうに言って、現在地を聞かれる。



とりあえず言っておくけど、この間の家の場所はわかるし、私ものんびり歩こう。

もしも迷子になったらが怖いから、迎えに来てくれるって言葉には、甘えることにした。







お兄さんは、酔ってても優しい。










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