6. ページ6
・
気づいた時にはお父さんは私を殴ってた。
というか、それが当たり前の日常だった。
お母さんは、そんな私とお父さんを見て、びくびく、隅で耳を塞ぐ。
お父さんがいなくなって、私に泣きながら謝ってくる。
静かに扉を開けて、お父さんの靴がないことを確認。
良かった、胸をなでおろして自分の部屋に向かう途中、お母さんがリビングからバタバタと出てきた。
「A?・・・あぁ、良かった、帰ってきたのね。今日の夜は家にいるのよね?」
そうよね?って笑いながら言う母のやつれていない姿は見た事がない。
開きっぱなしの扉の奥から聞こえる、幼い妹の泣き声。
うん、って笑って答える自分。
・・・吐きそう。
なんであんな男と行為ができるのか。
どうしてあんなにも弱々しくて、自分のためにしか生きていない母を捨てられないのか。
幼い妹を守ろうしとしてしまうのか。
それなのに、追い出されたら毎回、安心してしまうのか。
お兄さん、優しかったな。
また会えるかな。会えないか。
お父さんの居ないうちに軽く荷物を持って家を出ようと思っていたけど、お母さんの顔を思い出して、妹の泣き声が聞こえてきて、部屋から1歩も、出ることは出来なかった。
誰かヒーローが、救ってくれればいいのに。
ヒーローじゃなくてもいいよ。
お父さんを殺してくれれば、私は。
・・・私は、どうなるんだろう。
・
888人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆真菜*(プロフ) - ありがとうございます! (2023年3月28日 18時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ☆真菜*さん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです!ぜひぜひお好きなようにお願いします〜!ありがとうございます〜! (2023年3月28日 18時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
☆真菜*(プロフ) - 素晴らしい作品を見つけてしまった!どうか私の小説の方でるるさんを宣伝(紹介)してもよろしいでしょうか!!!! (2023年3月28日 9時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ミルねこさん» コメントありがとうございますー!とっても嬉しいです!今後もよろしくお願いしますー! (2023年3月17日 16時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - うっ……神作品を見つけてしまった…!夢主ちゃんに感情移入し過ぎで涙腺ヤバいです……!!蘭ちゃぁぁ〜ん!!早く連れ出してぇ!!続き、楽しみにしてます!! (2023年3月16日 21時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るる | 作成日時:2023年3月2日 0時