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大きなビルの一室。
ここは、父の部屋?
昨日からずっと体中痛くてぼーっとする中、座ることも出来ず、ただお父さんが物に当たって頭を抱えるのを見る。
「・・・ってる」
「え?」
「灰谷兄弟が向かってるだと・・・」
私の事なんてこれっぽっちも見えてない。
お父さんはボソボソと呟く。
・・・灰谷兄弟。
・・・ランにぃとリンにぃじゃなければいいな。
だめか、そんなこと思ったら。
灰谷兄弟が誰であろうと、危険な目に合わせちゃ、ダメだよね。
助けに来てなんて、思っちゃ、ダメに決まってる、
「・・・お前だ」
考えている間に、お父さんがすぐそばに居て、カチャリ、頭に当たる、冷たい何か。
見たことも触れたこともない、でも、分かる、これ。
「お前が、灰谷兄弟の気ぃ引いとけ。できるだろ。死ぬよりマシだよな」
「私が気を引いて、どうするの。その間に、逃げるの」
「逃げる?・・・いや、殺す。梵天の幹部2人、そうだ、そうすれば、」
お父さんは笑う。
見たことの無い不気味な笑い。
怖くて、体が動かない。
嫌だという抵抗すら効かない。
その間に、お父さんの部屋に訪れた誰かが、灰谷兄弟が来たことを知らせる。
心臓がうるさい。
苦しい。
涙が出そう。
頭に当たったソレをさらに強く押し付けられて、私は灰谷兄弟に1歩ずつ、近づいている。
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☆真菜*(プロフ) - ありがとうございます! (2023年3月28日 18時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ☆真菜*さん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです!ぜひぜひお好きなようにお願いします〜!ありがとうございます〜! (2023年3月28日 18時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
☆真菜*(プロフ) - 素晴らしい作品を見つけてしまった!どうか私の小説の方でるるさんを宣伝(紹介)してもよろしいでしょうか!!!! (2023年3月28日 9時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ミルねこさん» コメントありがとうございますー!とっても嬉しいです!今後もよろしくお願いしますー! (2023年3月17日 16時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - うっ……神作品を見つけてしまった…!夢主ちゃんに感情移入し過ぎで涙腺ヤバいです……!!蘭ちゃぁぁ〜ん!!早く連れ出してぇ!!続き、楽しみにしてます!! (2023年3月16日 21時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2023年3月2日 0時