39. ページ39
・
目が覚めたのは、お父さんの声が聞こえたから。
「ぼん・・・が・・・」
ところどころ聞こえてくる会話がなんの話しなのかは分からない。
ぼんてん、そう聞こえた気はするけれど、それが何を表すのかは分からない。
暫くして電話が終わると、お父さんが近づいてきたのがわかった。
「起きろ」
酷く冷たい声。
愛情なんてひとつも感じられない。
心なんて込めたこともない。
いつものお父さんの声。
それが重く私に乗りかかって、起きなければ何かされるのは間違いないのがよく分かる。
泣きすぎたせいが重たい瞼をグッと開けて、お父さんの目を見る。
生気はない。
なんの感情もない。
「来い」
お父さんのその声と同時に、腕を痛いくらいに掴まれて、家の外に出される。
ようやく私を追い出す気になったのかと思ったら、乗ったことの無い、お父さんの車の中。
どこに行くんだろう。
あちこち痛む体が無理な運転で揺らされる。
窓の外には、猛スピードで通り過ぎる、普通の景色。
眠ってからどれくらい時間が経ったんだろう。
「くそ、厄介なヤツらと関わりやがって」
怒りを多く含んだその声に耳が痛い。
怒鳴り声、叫び声、大きな声。全部嫌いな声。
「聞いてんのか」
身に覚えのない言葉な私に対しての言葉だとわかってびっくり。
なんのことかと聞き返そうとしたけど、鏡越しに見えるお父さんの目が怖くて、口は開くことすら出来なかった。
・
888人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆真菜*(プロフ) - ありがとうございます! (2023年3月28日 18時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ☆真菜*さん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです!ぜひぜひお好きなようにお願いします〜!ありがとうございます〜! (2023年3月28日 18時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
☆真菜*(プロフ) - 素晴らしい作品を見つけてしまった!どうか私の小説の方でるるさんを宣伝(紹介)してもよろしいでしょうか!!!! (2023年3月28日 9時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ミルねこさん» コメントありがとうございますー!とっても嬉しいです!今後もよろしくお願いしますー! (2023年3月17日 16時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - うっ……神作品を見つけてしまった…!夢主ちゃんに感情移入し過ぎで涙腺ヤバいです……!!蘭ちゃぁぁ〜ん!!早く連れ出してぇ!!続き、楽しみにしてます!! (2023年3月16日 21時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るる | 作成日時:2023年3月2日 0時