反社とJK【灰谷蘭】

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｢あんな公園にいたら誰も拾ってくんなくね？｣







ケタケタ、バカにするように笑われて、拾われないからあそこにいるんだけどな、って、心の中。


手は握られたまま、握り返さなくても、離れる気配は無い。




今まで、こんな気持ちになったことは無い。

気持ち悪いとか、離して欲しいとか、野宿でいいとか。


寝る場所と、食べるものがあれば生きられたから。




あーあ、って思いながら、まぁいっかって。




ランにぃが良かったっていうのは、私のただのワガママだ。

寝る場所だけで、どれだけ有難いか。


ランにぃだって、今はお礼を返してないからいい感じなだけで、えげつないものを要求してくるかもしれないし。




ホテルなんて、何回連れてかれたか覚えてないし。





嫌だっていう気持ちをなんとかポジティブに考えようと頭を回転させて考えてみる。

そうだそうだ〜って肯定してみる。








｢お金もってないんですけど、｣






｢いいって。この間も払ったじゃん｣








払ってあげてるって、いい人な気持ちになってるだけで、やってることは未成年とのソレだけどね。

なんて、言うわけもないけど。






色々考えながら適当に相槌を打って歩いてれば、いつの間にかホテルが蔓延る街。



男と女の混ざりあった匂いが酷く鼻につく。

憎悪と嫉妬がよく見える、快楽の街。




私が普通だったら、私の周りが普通だったら、こんな所、見たこともなかったのかな。





ため息をひとつ、同時に、視界の隅に、見覚えのある紫。










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