反社とJK【灰谷蘭】

32. ページ32

･








出ていけ、そう怒鳴られて、家の外。


私の気分は、少しだけ晴れやかだ。




宝箱に入れたランにぃの電話番号。

手元になくても、毎日見てたから覚えてる。





ポチポチって、覚えたそれを指で押す。

プルル、って、期待の音。




おかけになった電話番号は、って、悲しい声。



もう一回だけ、それを3回くらいして、めんどくさい女になっちゃうって。

これだけ出ないなら、ランにぃはきっと忙しいんだ。


もう出ない。


せっかくかけられたのに、だめかぁ。




残念だなって。


ほかの人に拾われる気にもなれないで、結局いつもの公園。

向かっている途中、Aちゃん？って、名前を呼ばれる。



思わず振り返って、誰だっけ、って。









｢あれ？覚えてない？1回拾ってあげたことあんだけどな｣








そう言いながら近づいてきて、該当に照らされて思い出す。


お礼は体で、って、ホテル代を払ってくれた人。




今日も拾われ待ち？って、腰に手を回されて、鳥肌が立った。



ホテルには行きたくない。

ランにぃ以外の人に触られたくない。

ランにぃに拾われたい。









｢今日は、大丈夫、です｣





｢ちょうど良かった。前のとこでいい？｣








相手に私の声は聞こえてない。


嫌だって抵抗しても、相手の手は腰から手に回って、力のない私は、そのまま引っ張られてく。





不本意にも、今日の寝る場所が決まったらしい。









･

33.→←31.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す