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毎朝、私は家族のご飯を作って家を出る。
私の家での立場は、サンドバッグと家政婦だと思う。
私の事嫌いなくせに、私が作ったご飯は食べる。
もちろん、ちょっとでも完璧とズレれば怒られるし、お父さんの機嫌が悪ければ更に都合が悪い。
ランにぃはきっと、私の作ったものに文句なんて言わない。
でも、できるんだって、すごいって、思われたい。
そんな気持ちといつもの癖で、綺麗な朝食を目指す。
ランにぃはコーヒーを飲みながら携帯をカチカチ。
「半熟でいい?」
「分かってんじゃん」
忙しいのか、こちらに視線は来ない。
だけど、その言葉だけでニヤついてしまう。
でしょ、って言って、焼けた目玉焼きをお皿に乗せれば朝ごはんの完成。
食べてーって言って、ランにぃの前にお皿を置く。
「お前は?」
「え?」
「俺の分しか作ってねぇの?」
「・・・癖で」
人のいる食卓でご飯を食べたことは無い。
自分の分を、他の人の分と一緒に作ったことも。
そっか、普通は・・・。
「でも、ほら、朝はお腹空かない派だから。大丈夫」
「・・・おいで」
言いながら、ランにぃは私の手を引く。
ポスッて、気づいたらランにぃの膝の上。
「ま、待って、」
「暴れんな」
なんだか恥ずかしい体制。
向かい合ってるわけじゃない。
でも、傍から見たらどうなってる?って考えて、一気に恥ずかしくなる。
人の上に乗ったことなんてない。どうしたらいいの?
分からなくてバタバタすれば、ランにぃは私を制する。
「一緒に寝てんのに何焦ってんだよ」
見なくても分かる。
ランにぃはいつも通り笑ってて、私は、いつもより顔が赤い。
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☆真菜*(プロフ) - ありがとうございます! (2023年3月28日 18時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ☆真菜*さん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです!ぜひぜひお好きなようにお願いします〜!ありがとうございます〜! (2023年3月28日 18時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
☆真菜*(プロフ) - 素晴らしい作品を見つけてしまった!どうか私の小説の方でるるさんを宣伝(紹介)してもよろしいでしょうか!!!! (2023年3月28日 9時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ミルねこさん» コメントありがとうございますー!とっても嬉しいです!今後もよろしくお願いしますー! (2023年3月17日 16時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - うっ……神作品を見つけてしまった…!夢主ちゃんに感情移入し過ぎで涙腺ヤバいです……!!蘭ちゃぁぁ〜ん!!早く連れ出してぇ!!続き、楽しみにしてます!! (2023年3月16日 21時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2023年3月2日 0時