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とぼとぼ歩く下校道。
結局、こんな生活じゃないと、生きていけないんだよなぁ。
ため息をひとつ。
家の鍵を開けて、扉を開けて、お父さんの靴を見た。
なんで、まだ帰ってきてないはずじゃ・・・そこまで考えて、私の背後で扉が閉まった。
音を立てて。
心臓がうるさい。寒気。
きっと数秒。
怖くて、焦って、下に向けていた視線を、リビングの扉に向けた。
数十秒。1分。
お父さんはリビングから出てこなかった。
酷く安心して、そこからできるだけ物音を立てないように自室に向かう。
部屋について、それでも、音を立てないように、静かにベッドの上に座った。
あんなでも、私がこうやって学校に通って普通の家で生活出来ているのは、お父さんがきちんとした仕事で、役割を確立しているから。
こんな平日のこの時間に家にいることなんてなかったのに。
心構えしていなかったら、こんなに怖いんだ。
慣れたと思ってた。
お父さんからの暴力とか、圧力とかお母さんの頼りなさとか、自分のための自己犠牲とか、とっくに当たり前になってるんだって。
でも怖かった。
お父さんからの暴力に、向かっていける自信がなかった。
・・・昨日、ランにぃに本音話しちゃったからかな。
寝てたけど。
昨日、幸せだったからかな。
そうか、嬉しい気持ちを知って、幸せだって思ったら、辛いことがいつも以上に辛く感じるのか。
冷静になって、私には不幸がお似合いだってことかなって、笑いがこぼれた。
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☆真菜*(プロフ) - ありがとうございます! (2023年3月28日 18時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ☆真菜*さん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです!ぜひぜひお好きなようにお願いします〜!ありがとうございます〜! (2023年3月28日 18時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
☆真菜*(プロフ) - 素晴らしい作品を見つけてしまった!どうか私の小説の方でるるさんを宣伝(紹介)してもよろしいでしょうか!!!! (2023年3月28日 9時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ミルねこさん» コメントありがとうございますー!とっても嬉しいです!今後もよろしくお願いしますー! (2023年3月17日 16時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - うっ……神作品を見つけてしまった…!夢主ちゃんに感情移入し過ぎで涙腺ヤバいです……!!蘭ちゃぁぁ〜ん!!早く連れ出してぇ!!続き、楽しみにしてます!! (2023年3月16日 21時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2023年3月2日 0時