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18、柄じゃない ページ18






今までで1番早く走れた気がした。


奴らの待機所について、雰囲気から

まだ土方さんが乗り込んでいないことを察す。


倉庫の重たい扉を思い切り開けた。


こっそり入ったって仕方ない。


どの道多勢に無勢だ。


まぁ、顔を上げた時、その敵の多さに圧倒したんだけどね。



「聞いてない・・・」



こんなに多いとは・・・。


いや、でも、半分とは行かなくても土方さんのところにも多くいるはず。

プラスこの人数だったらさすがのあの人でも死ぬな。



「御用改めであるー真選組だー。

神妙にお縄につきやがれーコノヤロー」



私の登場に驚いていた奴らは

ハッと我に返る。


真選組と聞いても慌てないのは、私が1人で、女だからか

自分たちによっぽど自信があるからか。


前者だな。



「こんなところにメスガキを寄越すとは

真選組も落ちぶれたも・・・」


「女とか、ガキとか、舐めてると痛い目見るよ」



自分の固定概念で話すそいつから先ず始末した。

喋っている間に首が飛ぶ気分はどう?


それを合図に、あちこちから刀が飛んでくる。


避けきれる訳もなく

顔や、腕が切れる。


大丈夫、急所なんかつけない。


早く終わらせるんだ。

早く、姉さんの所に、土方さんの所に、総悟の所に行くんだ。


大きな傷なんて作ったら、また怒られちゃうから。

心配されるなんて柄じゃないから。


私はいつもみたいにヘラヘラ笑って

みんなに馬鹿だな、って鼻で笑われるんだ。


何人切っても減らない敵。

自分の血か、誰かの血かも分からない。


待機所だけじゃなかったらしく、

敵はまた新たに倉庫に入ってくる。


1本、剣先が肩に刺さる。

1本、刀が腕を割く。

1本、刀が太ももを貫いた。


そして、背中に大きな痛みが走った。


それでも、痛くても切った、切った。

振り回した。


もう、切っている感覚も切られている感覚も失った。


血の海の中、死体や気を失っている人の中

私以外の人間は、もう、立てなかった。


息を荒くして

血を垂れ流した私だけが、その中に立っていた。



「行かなきゃ」



もたついた足元、掠れる視界。

それでも走ったんだ。

転んで、傷がいたんだ。


あちこちから血が出て、あぁ、過去一やべぇなって。


いつもそばにいてくれる皆が

どれだけ大切な存在か、改めて実感した。


気を失いかけていた敵に聞いた取引場所について

目を見開いたんだ。


ここも、死体だらけだ。




19、惚れた女→←17、私達には



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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時

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