夢 *ツリメ ページ10
ふわふわとした感覚の中で
エイジとAが楽しそうに話してて、それだけなのになんだか胸騒ぎがして
あっ夢だっ。って意識すら出来てるのに、何か少し悔しくて
やだなー嫌な夢だなーって思ってたら目が覚めた
トントンと軽快なリズムに、彼女の何の曲ともない鼻歌が聞こえてくる
「…A?」
ベッドから一歩も出てないのに、キッチンはまだ少し遠いのに
彼女は鼻歌を止めた
ちらりとドアから顔を覗かせて
「…あっ起きたぁ」
おはよぉ、なんてまだ夢の中みたい
「A来て、」
オレは体を起こして自分の隣をぽんぽんと叩くと彼女はパタパタと駆け出して、コンロの火を止めた音がここまで聞こえた
そうしてまたパタパタと静かに走ってオレの前に座るのだ
「…ツリメくん泣いてるの?」
なんだか涙目だよ、とAはおれのおでこを触る
熱でもあると思ったらしい
「なんか、やな夢見て」
寝起きで回らない舌。それすらじれったい
自分に自信がないから、あんな夢見るんだ
「Aは、オレのこと好き?ほんとに?」
まだ何の答えも言われていないのに、オレは大事なことだとでも言う様に確認をする
「好き。好きだよツリメくん」
ホントにどうしたの?おかしいよ?なんて彼女は可愛らしい声で笑う
「あのね、オレも好き」
どうか、どうか、この彼女が
夢の様に、夏の暑さに溶けて消えませんように
「時々確認しないと、何か不安になるんだ」
そう俯いて言うと、彼女はまたクスクスと笑う
サプライズプレゼントの時は男らしかったのに、なんてまた少し前の話をする
彼女はオレを安心させる様に笑い、両手でオレの顔を上げる
「絶対いなくならないよ。大丈夫!」
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そーにゃ(プロフ) - あやもちさん» コメントありがとうございます!短編なのに話が繋がってしまっていいか不安でしたがそう言ってもらえると嬉しいです!こちらこそ最後までお読みいただきありがとうございました!! (2017年8月1日 11時) (レス) id: d0b511bd78 (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(プロフ) - 素晴らしいエンドでしたサイコーです(早口)←ありがとうございました(*´∀`)♪ (2017年8月1日 2時) (レス) id: 6e3c6d7283 (このIDを非表示/違反報告)
そーにゃ(プロフ) - 三谷さん» コメントありがとうございます!短編集でありながら最後の話まで繋げると言うのも一つのテーマでした。気づいてくれて嬉しいです!そう言ってくれると嬉しいです!また機会がありましたら小説を書いていこうと思いますのでまたどこかでお会いしましょう! (2017年5月14日 23時) (レス) id: 794bc085aa (このIDを非表示/違反報告)
三谷(プロフ) - 毎回読むのがすごく楽しみでした!最後の結婚の話まで全部繋がってたんだなぁと思うとすごくキュンキュンします!またそーにゃさんのアバンティーズの小説を読めるのを楽しみにしています(´∀`*) (2017年5月13日 23時) (レス) id: f63b48d130 (このIDを非表示/違反報告)
そーにゃ(プロフ) - みなみさん» リクエストありがとうございました。喜んでもらえて良かったです。また何かリクエストがありましたらよろしくお願いします!今後とも短編集をよろしくお願いします! (2017年4月28日 20時) (レス) id: 794bc085aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そーにゃ | 作者ホームページ:http://puchiamatheater
作成日時:2017年4月2日 3時