深夜 *エイジ ページ28
もう寝たかな?なんて声には出さずに思う
パチ、っと言う様に目を開けて静かにベッドを出る
彼女を起こさない様に静かに移動してリビングでパソコンを立ち上げると大きな軌道音が鳴って
「うぉっ」
オレの小さな声と一緒に部屋中に響いた
急いでイヤホンを指して耳をそばだてるがおそらく起きていない
安堵の溜息を漏らしながら、オレは編集を始める
少し集中し始めた頃合いで、彼女は急に隣に現れた
「わ」
小さな声を上げる
彼女はてっきりいつもの様に笑うものだと思っていたら彼女は予想を覆して
少しふてくされたような表情を浮かべている
「…どったの」
イヤホンを片方取って話しかける。今はどのシーンにどの曲を使うかを考えているためイヤホンからは曲が流れる
聞く?と首を傾げれば彼女は小さく頷いてその片方をつけた
「…遅い時間まで編集ですかエイジさん」
「…そのことですかAさん」
いつも彼女は口を酸っぱくして言っている
編集して体を壊すなと
きっとそのことを意味した言葉なんだろう
「…もう寝るよ」
「うそつき」
彼女はオレの肩に寄りかかる
「えいちゃんが編集終わるまで一緒に起きてる」
もうこうなれば意地だとでも言う様に彼女は言う
しかしやはり眠いのか目をこする
「…寝なよ」
「寝ませんー」
仕方ないと諦めて編集を続ける途中で
いたずら心が働いて少しゆったりとした眠気を誘うような音楽を流すと
彼女は少しもしない間に目をつぶりだす
「……眠いんじゃん」
息が抜けるように笑うと、寝ているはずの彼女も少し口元を緩めた
彼女の耳には届くのだろうか
愛の言葉とも、夜の挨拶とも、はたまた自分の名前が呼ばれたとさえ思っているかもしれない
彼女の頭を撫でて小さな声で呟いた
「…おやすみ」
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そーにゃ(プロフ) - あやもちさん» コメントありがとうございます!短編なのに話が繋がってしまっていいか不安でしたがそう言ってもらえると嬉しいです!こちらこそ最後までお読みいただきありがとうございました!! (2017年8月1日 11時) (レス) id: d0b511bd78 (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(プロフ) - 素晴らしいエンドでしたサイコーです(早口)←ありがとうございました(*´∀`)♪ (2017年8月1日 2時) (レス) id: 6e3c6d7283 (このIDを非表示/違反報告)
そーにゃ(プロフ) - 三谷さん» コメントありがとうございます!短編集でありながら最後の話まで繋げると言うのも一つのテーマでした。気づいてくれて嬉しいです!そう言ってくれると嬉しいです!また機会がありましたら小説を書いていこうと思いますのでまたどこかでお会いしましょう! (2017年5月14日 23時) (レス) id: 794bc085aa (このIDを非表示/違反報告)
三谷(プロフ) - 毎回読むのがすごく楽しみでした!最後の結婚の話まで全部繋がってたんだなぁと思うとすごくキュンキュンします!またそーにゃさんのアバンティーズの小説を読めるのを楽しみにしています(´∀`*) (2017年5月13日 23時) (レス) id: f63b48d130 (このIDを非表示/違反報告)
そーにゃ(プロフ) - みなみさん» リクエストありがとうございました。喜んでもらえて良かったです。また何かリクエストがありましたらよろしくお願いします!今後とも短編集をよろしくお願いします! (2017年4月28日 20時) (レス) id: 794bc085aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そーにゃ | 作者ホームページ:http://puchiamatheater
作成日時:2017年4月2日 3時