愛して恋して ≪アバンティーズ 短編集≫

いじわる　*そらちぃ ページ22

お願いしまぁす！！と大きな声を上げて土下座をする

　私は少し黙って必死な彼を見る

　土下座してる割に彼はベッドの上、私はベッドの下と少々矛盾した立ち位置となっている

「やだなぁ…」

　彼がえーっと声が上げるまでに時間はかからなかった

　そらの手には猫耳。この前そらが動画で使ってた奴だ

　私が嫌なのは猫耳だからじゃない。自分の頭の中を覗かれるようで嫌なのだ

「これ明日にはツリメくんに貸さなくちゃだからさぁ…」

　…もしかしてメンバー全員で回してるんだろうか

　だとしたら本当に可愛いグループだ

　彼はがしがしと頭をかいている

　顔は少しふてくされているようにも見える

「じゃー目つぶってよ！」

　せめてとでもいう様に、名案だとでも言う様に

　それは…目をつぶったらつける気なんじゃないの？

　私は少し悩んだけどきっとどちらかが折れるまで続くのなら仕方ないだろう

「んっ！」

　と声を上げて目をつぶれば彼は行くよーと楽しそうな声を上げる

　最初に何故か頭を撫でられる、そうして今度は違和感

　…やっぱりつけてるんだな

　彼は凄く小さな声で可愛いな、と呟く彼

「んー！！近くにいるでしょ！」
　
　何だか目をつぶってる方が恥ずかしかったかもしれない

　私はバタバタ腕を振るが、彼には当たらない

「危ねぇ危ねぇ！」

　そう言いながらも彼は楽しそうに声を上げる

　むしろ少し笑ってるな…

「目ー開ければいーのに」

「…目開けていいの？」
　
　いいなら開けるよ？と言ったところで唇に違和感

　キスされたと気づくのにそう時間はかからない

　私は思わず目を開ける

　彼は楽しそうに笑って言う。nekomimiの機械音が響いた

「ばーか」

本能的　*ツリメ→←返り討ち　エイジ

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