6話〜万理side〜 ページ7
千と再会した後、聞いたのは「Aがツクモプロダクションにいる」ということだった。
五年前、俺は家族からも身を隠した。
家族までも九条に……と考えると……。
だから、Aとは五年間音信不通だった。
でも俺はAがメイクアップアーティストになっていたのを知っていた。
だって、ほら。
ドラマとか映画のスタッフロールに名前があったから。
子供がいたのは驚いた。
すぐに俺は千を疑った。千は身に覚えがないわけではないらしい。
とりあえず、殴る。
千はなんとかAを誘って俺と再会させたいみたいだけど、頑固で極端なAが応じるはずがない。
「……だから諦めたらいいのに……」
事務所で呟き、スマホを机の上に置いた。
千。お前が引きずってても、Aは引きずってないよ。
……子供が誰の子かは別問題として。
そういえば、今度ŹOOĻと収録があったはず。
再会できるかはわからないけど、見かけたら声をかけてみよう。
ŹOOĻの専属になったのならいるだろうけど、会話ができるかできないかは、別だ。
「……A……」
お前が産んだのは、誰の子なんだ……。
場合によっては、大スキャンダルなんだぞ……。
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作者名:通りすがり | 作成日時:2019年7月8日 9時