1話 ページ1
ツクモプロダクションは広い。そして、大きい。
私はツカツカと廊下歩き、とある部屋へ向かう。
社長が変わり、新しいアイドルグループを作ったから専属メイクになって欲しいと頼まれた。
今まで担当していた女優さんやアイドル達については、「専属になっていないのは外した。あと君が専属になっている女優やアイドルは片手くらいにしたから……」とのこと。
「腕がいいからこそ、僕としてはフリーで幅広く活躍して欲しいんだよ。……衣装デザインの才能もあるしね」
勝手に仕事を決めるのは前も変わらなかったから、気にはしない。
子供がいるから夕方には帰らせてもらっているし、仕事場に連れてくることも許可してもらっている。
……中々休みは取れないけど。
ドアの前に立ち、コンコン、と二回ノックした。
「……入れよ」
「失礼します」
ぶっきらぼうな声だったけど、中々いい声だった。
入ると、茶髪のイケメン……御堂虎於。白髪の中性的なイケメン……棗巳波。可愛い感じの子……亥清悠。
それから、……解散した、NO_MADのボーカル、狗丸トウマがいた。
あらかじめ資料を見て覚えたから、混乱はしなかった。
「入れ」と言ったのは狗丸トウマの声じゃなかったから、多分御堂虎於だろう。
「今日からŹOOĻの専属のメイクになりました、大神Aです。専属っていっても、5時には帰るからそのつもりで」
219人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:通りすがり | 作成日時:2019年7月8日 9時